歯科で使う局所麻酔薬の種類と副作用・注意点

「以前、歯科の麻酔を受けた後に動悸がした」
「気分が悪くなったことがあるが、麻酔アレルギーなのか心配」
「高血圧や心臓の薬を服用していても、麻酔を受けられるのか知りたい」
歯科の局所麻酔について、このような不安を感じる方もいらっしゃいます。
歯科で使用する局所麻酔薬は、すべての方に同じものを使用するわけではありません。治療する場所、治療時間、炎症の程度、持病、服用中のお薬、妊娠の有無、過去の麻酔時の症状などを確認し、適した薬剤と使用量を検討します。
横浜市港北区の大倉山駅前港北歯科クリニックでは、歯科医師・薬剤師の資格を持つ院長が、服薬状況も含めた確認を大切にしています。
※副作用や偶発症を完全に防げる麻酔薬はありません。使用する薬剤や量は、診察したうえで個別に判断します。
歯科の局所麻酔薬はどのように選ばれるのですか?
歯科の局所麻酔薬は、神経の働きを一時的に抑えて、治療部分の歯や歯ぐきの感覚を鈍らせる薬です。
局所麻酔薬の成分には、必要に応じてアドレナリンやフェリプレシンなどの血管収縮薬が組み合わされます。
血管収縮薬には、麻酔効果を保ちやすくすることや、治療部位からの出血を抑える目的があります。一方、持病や服用中のお薬によっては配慮が必要です。
当院では、次のような項目を確認して使用する薬剤を検討します。
- 治療する歯や部位
- 必要と予想される麻酔時間
- 炎症や腫れの程度
- 高血圧、心疾患、甲状腺疾患、糖尿病などの持病
- 肝臓や腎臓の機能
- 現在服用しているお薬
- 妊娠中、妊娠の可能性、授乳中であるか
- 過去の局所麻酔時に起きた症状
- 年齢や当日の体調
患者様のご希望も伺いますが、薬剤を自由に指定するのではなく、治療内容と全身状態を確認して歯科医師が判断します。
歯科で使う主な局所麻酔薬
リドカイン+アドレナリン
リドカインは、歯科の“浸潤麻酔”や“伝達麻酔”(詳しくは「歯科で使う麻酔・鎮静法の種類・違い」を参照)で使用される代表的な局所麻酔薬です。
アドレナリンを組み合わせた製剤では、麻酔効果を保ちやすくし、治療部位の出血を抑える目的があります。
一方、動悸、頻脈、血圧上昇などが起こることがあります。また、一部の抗うつ薬、β遮断薬、抗不整脈薬などとの相互作用に注意が必要です。
高血圧、心疾患、甲状腺疾患、糖尿病がある方や、服用中のお薬がある方は、治療前にお知らせください。
プロピトカイン+フェリプレシン
プロピトカインに、フェリプレシンという血管収縮薬を組み合わせた局所麻酔薬です。
アドレナリンを含む製剤とは異なる選択肢ですが、すべての持病に対して一律に適しているわけではありません。
重症の肝機能障害や腎機能障害がある方では、中毒症状が発現しやすくなる可能性があります。また、メトヘモグロビン血症という副作用が報告されているため、病歴や体調を確認して使用を判断します。
妊娠中または妊娠の可能性がある方には、治療の必要性と薬剤使用の有益性・危険性を確認して判断します。
メピバカイン
メピバカインは、血管収縮薬を含まない局所麻酔薬です。
浸潤麻酔では、比較的短時間の処置に使用されます。血管収縮薬を含む局所麻酔薬と比べて作用時間が短く、止血作用がないため、長時間の処置や出血を伴う治療には適さない場合があります。
血管収縮薬を含まないからといって、高血圧、心疾患、甲状腺疾患、糖尿病などがある方に無条件で使用できるわけではありません。
持病、肝機能・腎機能、服用中のお薬などを確認して使用を判断します。
局所麻酔薬の種類は主に2つ!
アミド型とエステル型の違い
局所麻酔薬は、化学構造によって主にアミド型とエステル型に分類されます。
現在、歯科の注射による局所麻酔で使用される代表的な薬剤の多くはアミド型です。一方、表面麻酔薬などには別の成分が使用される場合があります。
ただし、患者様にとって重要なのは、単に「アミド型かエステル型か」だけではありません。
- どの薬剤を使用するか
- 血管収縮薬を含むか
- 使用量
- 治療部位
- 持病や服用薬
- 過去の麻酔時の症状
などを総合的に確認することが重要です。
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「麻酔後に気分が悪くなったことがあります。
アレルギーですか?」
すべてがアレルギーとは限りません。
歯科の局所麻酔後に起こる気分不良には、複数の原因が考えられます。
血管迷走神経反射
注射への恐怖、痛み、緊張などによって血圧や脈拍が低下し、顔色不良、冷や汗、吐き気、意識が遠のく感覚などが起こることがあります。
過換気症候群
強い不安や緊張によって呼吸が速くなり、息苦しさ、手足や口の周りのしびれ、めまいなどが起こることがあります。
血管収縮薬による反応
アドレナリンを含む局所麻酔薬では、動悸、脈が速くなる感覚、血圧上昇などが起こることがあります。
局所麻酔薬に対するアレルギー
蕁麻疹、腫れ、呼吸症状などを伴うことがあります。重篤なアレルギー反応はまれですが、完全に起こらないわけではありません。
局所麻酔薬アレルギーと考えられていた症状が、実際には血管迷走神経反射や過換気症候群であった場合もあるため、症状の経過を詳しく確認することが重要です。
局所麻酔中毒
局所麻酔薬の血中濃度が上昇すると、口の周囲のしびれ、舌のしびれ、耳鳴り、ふらつき、振戦、意識障害、痙攣などが起こる可能性があります。
過去に麻酔後に気分が悪くなった方へ
過去に麻酔後の体調不良があった方は、「麻酔アレルギーがあります」とだけ伝えるのではなく、可能な範囲で次の情報をお知らせください。
- どのような治療を受けていたか
- 麻酔後、何分くらいで症状が起きたか
- 動悸、息苦しさ、吐き気、冷や汗、発疹など、どのような症状だったか
- 意識を失ったか
- 医療機関を受診したか
- アレルギー検査を受けたか
- 診断名や使用薬剤が分かる書類があるか
原因が不明な場合や、重い症状の既往がある場合には、歯科麻酔科やアレルギーを扱う医療機関への相談をご提案することがあります。
麻酔前にお知らせいただきたいこと

次に当てはまる方は、治療前に歯科医師またはスタッフへお知らせください。
- 高血圧、心疾患、不整脈がある
- 甲状腺機能亢進症や糖尿病がある
- 肝臓や腎臓の機能が低下している
- 喘息や呼吸器疾患がある
- 麻酔後に動悸や気分不良が起きたことがある
- 注射や採血で失神したことがある
- 過呼吸を起こしたことがある
- 局所麻酔薬のアレルギーと診断されたことがある
- 妊娠中、妊娠の可能性がある、または授乳中である
- 現在服用しているお薬がある
- 最近、服用するお薬や量が変わった
受診時には、可能であればお薬手帳または服用中のお薬が分かるものをお持ちください。
服用中のお薬を、歯科治療のために自己判断で中止しないでください。歯科医師または処方した医師へご相談ください。
局所麻酔を行うときの
当院の配慮
当院では、局所麻酔を行う前に、持病、服用中のお薬、過去の麻酔時の症状、当日の体調などを確認します。
また、症例や患者様の状態に応じて、次の点に配慮します。
- 必要最少量の麻酔薬を使用する
- 注射針が血管内に入っていないことを確認する
- 麻酔薬をできるだけゆっくり注入する
- 麻酔後の顔色、意識、呼吸、体調変化を確認する
- 必要に応じて血圧、脈拍、酸素飽和度などを測定する
- 異常時に対応できるよう準備する
歯科麻酔薬について
よくある質問

麻酔後に動悸がしたのですが、アレルギーですか?
動悸だけで局所麻酔薬アレルギーとは判断できません。
血管収縮薬の影響、緊張、過換気、血管迷走神経反射など、複数の原因が考えられます。発疹、腫れ、息苦しさなどの有無も含め、症状の経過をお知らせください。
高血圧や心臓病があっても、歯科麻酔を受けられますか?
持病があることだけで、一律に局所麻酔ができないとは限りません。
病状、血圧、服用中のお薬、治療内容などを確認して判断します。必要に応じて血圧や脈拍を測定しながら治療を行ったり、主治医への照会が必要なことがあります。
血管収縮薬を含まない麻酔薬を指定できますか?
ご希望は伺いますが、血管収縮薬を含まない麻酔薬が、必ずしもすべての方に適しているわけではありません。
治療時間、出血の程度、治療部位、持病、服用中のお薬などを確認して選択します。
妊娠中でも局所麻酔を受けられますか?
妊娠週数、治療の緊急性、使用する薬剤、全身状態などを確認して判断します。
妊娠中または妊娠の可能性があることを、治療前に必ずお知らせください。
麻酔薬の副作用を完全に防げますか?
副作用や偶発症を完全に防ぐ方法はありません。
当院では、事前の問診、必要最少量の使用、ゆっくりした注入、治療中の観察などを行い、リスクの低減に努めます。
大倉山で歯科麻酔や服用薬について不安がある方へ
以前の歯科麻酔で気分が悪くなった方、持病や服用中のお薬があり不安な方は、治療前に遠慮なくお知らせください。
大倉山駅前港北歯科クリニックでは、過去の麻酔時の症状、持病、服用中のお薬などを確認し、治療内容に応じた麻酔薬と使用量を検討します。受診時には、可能であればお薬手帳をお持ちください。
院長は歯科医師と薬剤師の資格を持ち、服薬状況も含めた確認を大切にしています。
当院は、東急東横線大倉山駅から徒歩2分、道路に面した1階にあります。お気軽にご相談ください。
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監修:大倉山駅前港北歯科クリニック
院長 飯塚 健
歯科医師・薬剤師
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大倉山駅前港北歯科クリニックには、大学病院口腔外科出身の歯科医師と管理栄養士が在籍しています。相談のみのご来院でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
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