歯の保険診療と自由診療の違いは?

疑問を感じる人たちの画像

日本の医療は、健康保険が適用になる「保険診療」と適用にならない「自由診療」の2種類に分けられます。「名前はよく聞くけど、よくわからない..」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここでは、保険診療と自由診療のメリット・デメリットや違いについて、解説致します。

保険診療・自由診療とは?

 保険診療(保険適用)

保険診療は健康保険が適用になり、公的医療制度の対象となる診療です。例えば、銀歯や金属のバネの入れ歯などが該当します。

メリット

  • 治療費用の一部を負担すれば済むため、費用的な負担を抑えられます。

デメリット

  • 治療方法や材質が限られます。
  • 同じ部位に、同一の治療を一定期間受けられない場合があります。

自由診療 (自費)

自由診療は、健康保険が適用にならない診療です。例えば、インプラントや歯の矯正治療、セラミック、金属のバネがない目立たない入れ歯などが該当します。

メリット 

  • 自分に合った最適な治療方法や材質を選択できます。
  • 最新の治療や薬剤を選ぶことができます。

デメリット

  • 費用的な負担がかさむことがあります。(ただし、医療費控除の対象になることも多々ございます。)

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歯並びを綺麗にしたい

目立たない入れ歯

医療費控除

これって保険適用?自由診療?

治療内容 保険診療(保険適用) 自由診療(自費)
虫歯治療
セラミック (*1)
ホワイトニング ×
歯の矯正 (*2)
入れ歯 ◯(金属のバネ付き)
ブリッジ ◯(銀歯)
インプラント ×

*1:ハイブリッドレジン、CAD/CAM(キャドキャム)は可能。

保険適用のセラミック?!

*2:国が定める先天的な病気や骨格異常など、ごく一部の場合を除く。

子供の歯列矯正は保険適用になる?!

保険診療と自由診療ってどっちが良い?

保険診療と自由診療はそれぞれメリット・デメリットがあるため、ご自分の希望に最も合った治療を選ぶことが大切です。

ここからは、銀歯とセラミック、入れ歯・ブリッジとインプラントなどの具体例を挙げて解説致します。

 銀歯は虫歯が再発しやすい?!

セラミックや銀歯、金歯の画像

歯の詰め物や被せ物はなるべく長持ちさせたいものです。気になるのが、虫歯の再発率。

実際、銀歯あるいはセラミックの違いで、虫歯の再発率にどのような差があるのでしょうか?

一部の論文では以下の結果が報告され、セラミックは再治療の割合が少ないというデータ(*A)もあります。

詰め物や被せ物の種類 10年間再治療なしの割合
銀歯の詰め物 67.5%
銀歯の被せ物 55.8%
セラミック 91%

*ただし、虫歯の再発の原因は歯磨きの仕方や食生活、歯並び・噛み合わせなどによっても異なります。

歯のセラミック治療の種類・特徴

セラミック治療の保証

インプラントは隣の歯に負担がかからない 

インプラント、ブリッジ、入れ歯の画像

失った歯を補う治療にはインプラントやブリッジ、入れ歯があります。でも一長一短あって、選ぶのに悩む人もいるのではないでしょうか?

気になるのが、寿命や隣の歯への負担。インプラントは隣の歯に負担をかけないのが最大の特徴です。

実際、寿命や隣の歯の負担はどれくらい違うのでしょうか?

一部の論文では以下の結果が報告され、インプラントは入れ歯やブリッジと比べ、寿命が長く、隣の歯への負担が少ないというデータ(*B)もあります。

治療内容 隣の歯の生存率(%)
インプラント 99〜100%
ブリッジ 92%
入れ歯 56〜77%

*生存率は5〜10年間で評価。

ただし、寿命や隣の歯への負担は歯並びや噛み合わせ、歯ぎしり・噛みしめ・食いしばり、歯磨きの仕方や食生活などによっても異なります。

インプラントの特徴

ブリッジの特徴

入れ歯の特徴

まとめ

日本は国民皆保険制度のおかげで、医療費用の負担を抑えられる保険適用の治療を受けることができます。一方で、保険制度のルールで、治療内容や材質に制限があります。

治療方法を選ぶときに大切なのは、5年後・10年後など将来を見据えて、ご自分に合うものを選択することです。

また大切な歯を守るためには、定期健診や歯のクリーニングなどで虫歯・歯周病を予防することが最も重要です。当院では、治療方法のご相談から予防までのお手伝いを幅広く承っております。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。

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(参考文献)

(*A):

「臼歯部修復物の 生存期間に関連する要因」青山貴則先生ら 口腔衛生会誌 J Dent Hlth 58:16−24,2008、

「レジンおよびセラミックインレー、アンレー、オーバーレーの生存率のシステマティックレビューとメタ分析」J Dent Res2016年6月号(電子版)

(*B):

インプラント支持補綴装置と部分床義歯の違いが欠損隣接歯の予後に及ぼす影響野川敏史先生ら 日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 7 : 170-178, 2015

「Ten-year survival rates of teeth adjacent to treated and untreated pos- terior bounded edentulous spaces. 」Aquilino SA, Shugars DA, Bader JD, White BA,J Prosthet Dent 2001; 85: 455–460.

「Multifactorial risk assessment for survival of abutments of removable partial dentures based on practice-based longitudinal study.」Tada S, Ikebe K, Matsuda K, Maeda Y.  J Dent 2013; 41: 1175–1180.

 「Single-tooth implants and their role in preserving remaining teeth: a 10-year survival study.」Priest G.  Int J Oral Maxil- lofac Implants 1999; 14: 181–188.

「Status of teeth adjacent to single-tooth implants.」 Krennmair G, Piehslinger E, Wangner H.  Int J Prosthodont 2003; 16: 524–528.

「 Posterior implant single-tooth replacement and status of adjacent teeth during a 10-year period: a retrospec- tive report. 」 Misch CE, Misch-Dietsh F, Silc J, Barboza E, Cianciola LJ, Kazor C. J Periodontol 2008; 79: 2378–2382.

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