歯を守る歯磨き粉

歯の再石灰化に関わるフッ素(*)や歯の元になるカルシウム、リン酸などのミネラルを含み、歯を守り、丈夫にする働きのある歯磨き粉の成分を解説していきます。

*本サイトでは理解して頂きやすいよう、フッ化物、フッ素化合物を総称してフッ素と表現しています。

成分

歯が溶けるのを防ぐ

歯が溶ける(脱灰:だっかい)のを防いだり、歯を修復する働きを持つ代表的な薬用成分として、2種類のフッ素が厚生労働省に承認されています。

成分名 特徴
フッ化ナトリウム(NaF) 表面の再石灰化や根っこの虫歯予防効果を発揮します。
モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP) 歯の表面より深部の再石灰化をしていきます。

フッ素濃度の表記にも注目

2017年3月より、歯磨き粉に含まれるフッ素濃度の上限が従来の1000ppm(=濃度の単位)から国際基準である1500ppmへと引き上げられ、虫歯予防効果は約14〜22%高くなりました。

*1500ppmのフッ素配合の歯磨き粉は6歳未満の子どもの使用は控えることとされています。

(関連記事)

フッ素とは

フッ素配合の歯磨き粉

歯の表面の修復

成分名 特徴
CPP-ACP(カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体)
牛乳由来のカルシウム成分で、歯にミネラルを補給します。
nano HAP(ナノ粒子ハイドロキシアパタイト) 歯の修復や虫歯の予防の効果が期待できます。
POs-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム) 歯へのミネラル補給や酸を中和させる作用が期待できます。
fTCP(リン酸三カルシウム) 歯の再石灰化を促し、歯の表面を丈夫にします。

虫歯のリスクと選び方

虫歯になりやすい

フッ素が持つ歯を修復する働きや虫歯菌の動きを抑える効果を利用するために、1450ppmのフッ素を配合する歯磨き粉と寝る前のフッ素配合のうがい薬(マウスウォッシュ)の併用が推奨されます。

唾液も少ない場合

唾液が少ないと虫歯の危険性(リスク)が高まります。「POs-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム)」(上記参照)を含むガムを噛み、唾液を出しやすくすることで、歯の修復や歯の脱灰(溶ける)を防ぐことができます。

入れ歯などでガムが噛めない場合には「CPP-ACP(カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体)」を含む歯磨き粉が良いでしょう。

歯茎がやせて根っこが見えている

歯茎が下がると根っこが露出します。歯の根っこは弱く、虫歯になりやすい場所なため、1450ppmのフッ素を配合する歯磨き粉の使用が推奨されています。

歯周病も気になる場合

歯周病が進行している場合には、フッ素に加えて殺菌成分も含まれる歯磨き粉やうがい薬(マウスウォッシュ)を併用するのが良いでしょう。

虫歯や歯周病に効く歯磨き粉

酸蝕歯(さんしょくし)

酸にさらされて歯が溶けて薄く弱くなった歯質を強化したい場合には、「fTCP(リン酸三カルシウム)」や1450ppmのフッ素が配合された歯磨き粉が良いでしょう。

また「POs-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム)」配合のガムも使って、エナメル質を守るのに役立てましょう。

酸蝕歯(さんしょくし)

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