知覚過敏(歯がしみる)
知覚過敏は、虫歯でないのに「歯がしみる・痛い」状態で、知覚過敏を抱える方は全体の約2〜3割ともいわれています。
ただし、「何もしなくても痛い」場合は、虫歯や歯の神経の炎症(歯髄炎)が原因のこともあります。
ここでは、知覚過敏の原因や予防・治療方法、虫歯との違いなどについて、わかりやすく解説していきます。
目次
知覚過敏と虫歯の違い
知覚過敏と虫歯の症状の違い
内容 | 知覚過敏 | 虫歯 |
---|---|---|
しみる時間 | 10秒 | 数十秒〜数分以上 |
歯を叩く・強く噛む | 痛みはない | 痛い |
見た目 |
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虫歯とは?
虫歯は、虫歯菌が歯を溶かして穴を開けます。虫歯の歯は神経に刺激が伝わりやすく、歯がしみることがあります。
知覚過敏とは?
知覚過敏は虫歯菌が関係せず、歯が溶ける・削れる・歯茎が下がることで、象牙質が露出して歯がしみます。
知覚過敏の原因を詳しく!
知覚過敏の主な原因には、
- 歯のエナメル質がすり減る・欠ける・溶ける
- 歯茎が下がる
などがあり、歯の象牙質が露出することで知覚過敏(歯がしみる!)を発症します。
歯茎が下がるとしみる?!
歯周病
歯周病が進むと歯茎が下がり、歯の根っこが露出し、歯がしみやすくなります。
エナメル質がすり減る・溶けるとしみる?!
歯のエナメル質は歯ぎしりや噛み締め、食いしばり、歯磨きなどですり減ったり、食習慣(酸味のあるものや炭酸飲料)や摂食障害(嘔吐)など溶けることがあります。
歯のエナメル質がなくなると、象牙質が露出し、知覚過敏につながります。
歯磨きの力の入れ過ぎ
普段から強い力で歯磨きをしていると、エナメル質がすり減り、知覚過敏の原因になります。特に、歯の付け根付近がえぐれたような形になるのが特徴です。
歯ぎしり、噛みしめ、食いしばり
睡眠中の歯ぎしり、日中の噛み締め・食いしばりなど、上下の歯が接触している時間が長いと、エナメル質が削れやすく、知覚過敏の原因になります。特に歯の噛み合わせの面が平らで黄色いのが特徴です。
酸蝕歯(さんしょくし)
歯は酸にとても弱く、溶けやすいことをご存知でしょうか?
酸性の食物や飲み物を摂り過ぎると、歯が溶けて、虫歯や知覚過敏が発生しやすくなります。
また酸を扱う仕事(金属加工やバッテリー製造など)や試飲・試食の機会が多い食品会社にお勤めの方、ワインテスターの方も、歯が溶けやすい傾向があります。
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唾液の不足
唾液は口の中を中性に保ち、歯が溶けるのを防いでいます。唾液が少なくなり、口が乾くと、虫歯や歯が溶けるリスクが高まり、知覚過敏を発症しやすくなります。
知覚過敏の治療
しみる部分をふさぐ
- 知覚過敏を抑えるお薬を塗布し、表面をコーティングします。
- コンポジットレジン(歯の色に似たプラスチック)で、しみる部分を覆います。
知覚過敏の予防
歯周病治療
歯周病で歯茎が下がるの防ぐために、定期的に健診をうけ、歯石取り(歯のクリーニング)を行うのがおすすめです。
マウスピース治療
マウスピースによって、歯ぎしりや噛み締め、食いしばりによる過度な力、あるいは摂食障害による胃酸から歯を保護することができます。歯のすり減りや歯が溶けてしまう方へおすすめの治療です。
生活習慣
酸性の食べ物・飲み物は習慣的に摂っていると、歯が溶けやすくなります。適度に摂ったり、飲食後に水でゆすぐのが良いでしょう。
知覚過敏?虫歯?
「歯がしみる」ときは、虫歯の場合もあります。ただし、何もしなくても痛い場合や長時間持続する痛みの場合には、別の病気(歯髄炎など)の疑いもありますので、重症化する前に歯医者さんに相談するようにしましょう。
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