歯科麻酔 Q&A
目次
Q. 麻酔の注射が苦手なのですが、痛くない麻酔はありますか?
A. 当院では痛くない(痛みの少ない)麻酔のさまざまな工夫をしております。
注射の針の痛みを和らげるために、次のような点に配慮しています。
- 針の細さ
- 表面麻酔(注射前に歯茎の感覚を鈍らせる)
- 笑気吸入鎮静法
- 注入する麻酔薬の温度、速度
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Q. 麻酔はどのくらいの時間で切れますか?
A. 一般的には2〜3時間ほど経過すると麻酔の効果は切れてくるといわれています。
ただし、患部の部位や治療時の麻酔の量、個人差などがあるため、おおよその目安としてお考えください。
Q. 麻酔が効かない体質らしいのですが、良い方法はありますか?
A. 一般に、患者様の体質で麻酔薬の効果が影響を受けることはないとされています(日本麻酔学会より)。しかし、炎症が強い部位や骨が硬い部位、膿がたまっている部位、下の奥歯などは麻酔が効きづらい場合もございます。
Q. 以前に麻酔をしたら、気分が悪くなったことがあるのですが、アレルギーでしょうか?
A. 歯科でよく用いられる局所麻酔(リドカインという成分)のアレルギーの発生頻度は0.00007%とされ、極めて低いといわれています。
歯科治療中に発生した体調不良の過半数は、アレルギーとは別の「血管迷走神経反射」や「過呼吸症候群」とされ、歯科治療に対する不安、恐怖、緊張などから生じます。
極めて稀ですがアレルギーの疑いが強い場合には、適切な医療機関へのご紹介が可能です。
(参考文献)
・「局所麻酔薬アレルギーがあるという患者が来院しました。どんな検査を行えば良いでしょうか。」歯科学報, 113(4): 404-406
・日本歯科麻酔学会アンケート調査結果
Q. 歯科治療で麻酔をした時に動悸がしました。体に合わないのでしょうか?
A. ほとんどの局所麻酔薬には心拍数や血圧を上げる成分(血管収縮薬)が含まれているため、アレルギー反応でなくても動悸が生じることがあります。また歯科治療時の緊張や不安などが重なっていることもあります。
この血管収縮作用は麻酔薬を治療部位にとどめたり、麻酔の持続効果を延ばす目的があります。ただし、添加量はごくわずかなため、健康な人には無害とされています。
*心臓病や高血圧といった持病のある方はお申し出ください。
Q. お酒をよく飲むのですが、麻酔が効きにくいですか?
A. 通常の歯科治療でおこなわれる少量の部分麻酔の場合には、ほとんど影響はありません。
ただし、慢性的に過剰な飲酒の習慣がある場合、肝臓の機能に大きな異常をきたしている場合には、麻酔薬の種類(全身麻酔、静脈麻酔、吸入麻酔など)によっては効果に影響を与える場合もございます。
Q. 妊娠中ですが、歯科治療のときに麻酔はできますか?
A. 歯科麻酔薬(局所麻酔)は使用量がごくわずかであるため、胎児や母乳への影響はほぼないとされています(日本小児歯科学会より)。
局所麻酔をする場合には妊娠16週(5ヶ月)以降が望ましいですが、緊急性が高く痛みを伴う状況では麻酔をして歯科治療を受ける方が体にとっての利益が大きいといわれています。
Q. 持病や服用中のお薬がありますが、麻酔はできますか?
A. 持病の程度にもよりますが、高血圧や心臓病など重度のものでなければ、ほぼ問題はありません。
高血圧症や心臓病、糖尿病、甲状腺の病気がある場合には血圧や脈拍が変動しやすいため、気分を落ち着かせることも大切です。
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