歯周病の原因
歯周病(歯槽膿漏)は歯に付いた歯垢をきっかけに発症、進行していきます。また歯周病の悪化には、口の渇きや生活習慣、体の健康状態、歯への過度な負担、ホルモンバランスなども関係しています。
歯周病の原因を知ると、ご自分に合った歯周病対策を取れます。ここでは、皆様に歯周病を防ぐために、歯周病の原因をわかりやすく解説致します。
目次
歯周病の原因
歯垢とは?
歯垢とは、白くねばねばした細菌のかたまりで、歯周病菌が多く生息しています。歯垢はやわらかく、歯磨きや歯間ブラシ、フロス(糸ようじ)などで取り除くことができます。
一方で、歯ブラシの毛先の届きにくい歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)にたまりやすく、歯垢が放置されると、歯茎が下がり、骨が溶けてしまいます。
(詳細記事)
歯石とは?歯垢と違う?!
歯垢が数日間ついたままだと、硬い「歯石」に変化します。歯石はザラザラしているため、歯垢や汚れなどが付着しやすく、歯周病が悪化する原因になります。
(詳細記事)
歯石を取るには?
硬い「歯石」は歯ブラシで取り除くことができず、自分で無理に取ろうとすると、歯や歯茎を傷つけてしまうこともあります。
歯医者さんでは専門的な器具を使って、効率よく歯石を取り除くことができます。また当院では、痛みの少ない歯石とりを心がけています。痛みが心配な方は、お気軽にご相談ください。
歯石をつきにくくするには?
歯石をつきくくするには、日常の歯磨きでフロスや歯間ブラシを併用して、磨き残しの歯垢をなるべく減らすのが効果的です。
歯周病が悪化しやすい環境
歯垢や歯石がつきやすい・細菌が繁殖しやすい環境では、歯周病が悪化することがあります。以下では、歯周病が悪化しやすい環境の具体例を挙げて、紹介致します。
☞下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
歯周病が悪化する環境 | 例 | 対策 |
---|---|---|
歯垢がたまりやすい |
|
|
口が乾く |
|
|
生活習慣 |
|
|
持病、加齢 |
|
|
女性ホルモンの変調 |
|
|
歯への過度な負担 |
|
|
お薬の副作用 |
|
|
歯垢がたまりやすい
歯垢がたまりやすい場所は、特に丁寧な歯磨きが大切です。
一方で、詰め物や被せ物が古くて合っていない場合や歯並びが悪い場合は、歯垢がたまりやすくなります。詰め物や被せ物、歯並びについては、治療で改善できることもございますので、お気軽にご相談ください。
口が乾く
唾液には口の中の細菌の繁殖を抑えたり、汚れを洗い流す働きがあります。しかし、口が乾くと細菌が繁殖しやすく、歯周病が進行・悪化しやすくなります。
「口が乾く」原因は、お薬の副作用やホルモンバランス、加齢、持病など多くの要素が関わっています。
(詳細記事)
生活習慣
歯周病は「生活習慣」と深い関わりがあり、生活習慣病の一つに位置付けられています。
歯茎の健康に影響を及ぼす生活習慣には、
-
- 喫煙(タバコ)
- 食生活や栄養
- ストレスや疲労、睡眠不足
などが挙げられます。これらの生活習慣は、歯茎の血流や防御機能の低下、また歯茎の回復を遅らせるため、歯周病が悪化しやすくなります。
持病
持病などで免疫力が低下していると、細菌の繁殖を防ぎにくく、歯茎に炎症が起きやすくなります。
歯周病の悪化を招く持病・問題には、
- 糖尿病
- 肥満
- 自己免疫疾患(膠原病:こうげんびょう)
- 加齢
- 遺伝
などが報告されています。
女性ホルモンの変調
一部の歯周病菌は女性ホルモンをエサに増殖することから、歯周病の悪化に深く関係することが明らかになっています。
(関連記事)
歯への過度な負担
特定の歯に過度な負担がかかると、歯を支える歯茎や骨が弱り、歯周病が進行・悪化しやすくなります。
- 歯ぎしりや噛みしめ、食いしばり
- 悪い噛み合わせ
などは、歯に過度な負担がかかることがあります。
お薬
口の乾燥
「口が乾く」副作用のお薬では唾液の量が減り、細菌が繁殖しやすくなるため、歯周病が悪化しやすくなります。「口が乾く」お薬は非常に多く、身の周りのお薬も該当することがよくあります。
また服用中のお薬の種類が多いほど、服用期間が長いほど、口が乾きやすくなると報告されています。
(関連記事)
薬の副作用
お薬の種類によっては、歯茎の大きさや厚みが異常に増えてしまう病気(薬剤性歯肉増殖症)を発症することがあります。
薬剤性歯肉増殖症では、異常な歯肉の厚みで歯磨きがしにくく、歯周病の悪化につながりやすくなります。
薬剤性歯肉増殖症と関連のあるお薬
以下のお薬の種類によっては、歯茎が腫れぼったくなることがあります。
- 抗てんかん薬
- 高血圧のお薬
- 免疫を抑えるお薬
(詳細記事)
まとめ
歯周病の原因のうち、ご自分に該当するものを確認していただくと、歯周病の予防につなげやすくなります。歯周病はほとんど症状がないまま進行するため、定期的な歯垢・歯石取り(クリーニング)がおすすめです。
歯周病について、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
(関連記事)