加熱式タバコと電子タバコの違いとは?!
紙巻きタバコより害は少ない?

いろいろな種類のタバコの画像

最近は従来の紙巻きタバコの他、「加熱式タバコ」や「電子タバコ」という言葉を聞くことも多いのではないでしょうか?

“煙が少ないし、害も少ないのでは?”と印象もあるかもしれません。

ここでは、「加熱式タバコ」や「電子タバコ」の違いや有害性の差などについて、わかりやすく解説していきます。

加熱式タバコの普及率

国内で加熱式タバコは2013年12月から発売開始され、「新型タバコ」として2016年ごろから若者を中心に広く流行し、2019年時点で加熱式タバコの使用者は成人の喫煙者における約2〜3割(男性:27.2%、女性25.2%)とされています。

タバコの種類と使用率のグラフ画像

加熱式タバコ、電子タバコとは

加熱式タバコの画像

新型タバコには「加熱式タバコ」と「電子タバコ」は同じではなく、別の種類になり、日本で使用されている代表的なアイコスやプルーム・テック、グローなどは「加熱式タバコ」に分類されます。

一方、ニコチンを含む「電子タバコ」は欧米を中心に使用されているものの、日本では2010年に法律で禁止され、公には販売されていません。

種類 ニコチン 有害性 管轄
加熱式タバコ
  • アイコス(フィリップ・モリス・インターナショナル)
  • プルーム・テック(日本たばこ産業)
  • グロー(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)
あり あり

紙巻きタバコより、有害物質が多いものもある。

財務省
電子タバコ
  • NJOY
  • Blu
  • Ego-T
  • Volcano
  • Lavatube
なし(日本ではニコチンを含むものは薬機法で禁止) 厚生労働省

(補足)

2016年10月時点で、アイコス(フィリップ・モリス・インターナショナル社)の市場流通の約9割は日本が占めており、ほとんどは日本で消費されています。

健康への影響
口腔がんのリスクは?

「加熱式タバコ」と「紙巻きタバコ」の比較

有害物質の濃度

従来の紙巻きタバコと比べ、タバコの葉を加熱する温度が低いため、一部の有害物質については量が少ないとも報告されています。

タバコの種類と含有有害物質濃度のグラフ画像

タバコの種類と燃焼温度のグラフ画像

有害物質の種類の多さ

排出される有害物質の種類数は紙巻きタバコと同等とされ、有害物質の種類によっては紙巻きタバコよりも多く含まれるものもあることが報告されています。(*タバコには4000を超える化学物質と200以上の有害物質が含まれています。)

さらに満足感が低いことから喫煙本数が増えたり、紙巻きタバコとの併用される方も多く、「加熱式タバコ」の使用によって健康への影響を減らすことは期待できないと複数の論文で結論づけられています。

口腔がんのリスク

発がん物質によって、口腔がんや口腔潜在的悪性疾患(「がん化するかもしれない口の中の病気」)の危険性は3〜6倍以上増加すると報告されています。

 タバコと関係する口の中の病気

また口の中が乾燥し、唾液の分泌が低下するため、

  • 虫歯
  • 歯周病
  • 口臭
  • ドライマウス(口腔乾燥症)
  • 味覚障害

などを引き起こすことがあります。

口腔がん

周囲への影響(受動喫煙)

紙巻きタバコと同様の多数の有害物質を含んでいるため、周囲にいるタバコを吸わない人への健康被害が懸念されています。2018年に成立した改正健康増進法では、禁煙場所での「加熱式タバコ」の使用は紙巻きタバコと同様、禁止されています。

まとめ

説明をする歯科医療従事者の画像

タバコの影響を減らすことで、美しい笑顔と健康な歯を守ることができます。

当院では口腔がんの検診、タバコのヤニ取り(歯のクリーニング)も承っております。「喫煙してるけど、歯の健康を考えたい」方もお気軽にご相談ください。

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