歯の神経・根の膿?!
根管治療とは?
原因
歯の神経が膿んだり、腐敗・壊死する原因には、歯の神経の細菌感染や歯への負担が挙げられます。
- 虫歯が神経まで達した場合
- 歯を強くぶつけた場合
- 噛み締めや食いしばりなどで歯へ強い負担がかかった場合
- 歯周病がひどい場合
相談した方が良い症状
- 冷たいものや熱いものしみる
- 食べ物がよく詰まる
- 痛みがひどかったのに、しばらくしたら痛みが消えた
- 歯茎の腫れ、膿、出血がある
- 顔や顎が腫れている
歯の神経を抜くのを防ぐために
「歯の神経を抜く」ことは通常、ありません。しかし、虫歯を放置して神経に細菌が侵入すると、歯の神経が腐敗・壊死してしまいます。
歯の神経を守るためには、なるべく早い虫歯の治療や定期健診がおすすめです。
歯の根っこの膿、放置するとどうなる?
歯の根っこの膿を放置すると、強い痛みや腫れ、腐敗臭、口臭が発生し、さらに悪化すると、歯茎から骨へと炎症が広がってしまいます。
症状の変化
症状は炎症の進行状況によって、次のように変化します。
歯髄炎
歯の神経が感染や炎症を起こした状況で、歯がしみたり、痛みを感じます。また炎症がひどいほど、症状が強くなっていきます。
- 冷たいものや熱いものがしみる
- 噛むと痛い
- 何もしなくも痛い
ただし、ゆっくりと進行する虫歯の場合、ほとんど自覚症状がないこともあります。
歯髄壊死
「歯髄壊死」とは、「歯髄炎」が進行して、歯の神経が壊死した状況です。神経が死んでいるため、一時的に痛みがなくなり、一見治ったように感じます。
「歯髄壊死」になると、歯への血流が途絶え、免疫機能が働かなくなるため、歯の中で細菌が増殖し続けます。
根尖性歯周炎
「根尖性歯周炎」とは、「歯髄壊死」が進行し、歯の根の尖端に細菌や膿がたまった状況です。
根の尖端の炎症がひどくなると、症状も強くなっていきます。
- 歯が浮いたような感覚や違和感がある
- 歯茎から出血する
- 噛むと痛い
- 何もしなくても痛い
症状と神経の状況
虫歯が進行すると、痛みにあわせて、歯の神経が細菌感染する確率が高くなります。
虫歯の症状 | 歯の神経の感染が起きる割合 |
痛くない虫歯 | 約6割以上 |
痛い虫歯 | 約7〜9割 |
*象牙質まで到達した虫歯の場合
検査
歯髄電気診
歯の微弱な電気を当て、神経の状態を数値化して確認します。
レントゲン撮影
レントゲン撮影では、虫歯の進行具合や歯の根っこの膿や炎症の程度、歯を支えている骨の状態などを多くのことを確認できます。
治療
歯の神経や根っこに膿や細菌がたまった場合には、「根管治療」で歯の内部の細菌や膿を取り除きます。
歯茎の腫れがひどいときは、抗生物質や痛み止めのお薬を処方したり、歯茎や歯の根の外科処置が効果的な場合もあります。
(詳細記事)
まとめ
歯の神経が膿んだり、腐敗・壊死してしまった場合には、歯の内部を殺菌する「根管治療」を行うことで、歯を守ることができます。
一方で、歯の神経をなるべく残すためには、早めの虫歯治療や定期健診・クリーニングで予防することが大切です。
歯の神経や歯茎の腫れ、膿などでお困りな場合には、お気軽にご相談ください。
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(参考資料)
・「改訂版 エンドドンティクス21」永末書店(第4章 歯髄・根尖性歯周疾患と細菌学)編集主幹 須田英明 戸田忠夫