入れ歯でお困りな方
- 入れ歯が合わない・歯茎に当たって痛い
- 入れ歯が割れた
- 入れ歯の違和感が強い
- 入れ歯が目立つのが気になる
などお悩みはございませんか。
入れ歯が合っていないと、食事や会話が思うようにできません。またうまく噛めないと、栄養が偏ったり、認知症のリスクが増加したり、残っている歯に負担がかかり、歯の寿命を損なうこともあります。
合っていない入れ歯を調整する・自分に合った入れ歯を選ぶことは、痛みのない快適な生活への近道になります。
ここでは、合わない入れ歯の問題、入れ歯の修理・調整、入れ歯の種類などを、詳細に解説致します。
入れ歯が痛い|合ってない
「入れ歯が当たって歯茎が痛い」、「入れ歯がすぐ落ちてくる」などのお悩みはございませんか。そんな場合、現在の入れ歯が歯茎の形と合っていない可能性があります。
歯茎は加齢とともに痩せて形が変化するため、入れ歯は次第に合わなくなってしまいます。入れ歯が合わないときは放置せずに早めに調整したり、入れ歯の内面にクッションのような材料で裏打ちをする方法で改善することもできます。
入れ歯が合わないまま放置すると…
他の歯の寿命が短くなる
合っていない入れ歯を使い続けたり、入れ歯を使わないままにしていると、残っている大切な歯に負担がかかってしまいます。
認知症になりやすい
入れ歯を装着してしっかりと噛めると脳が活性化し、認知症の予防になります。ところが、入れ歯を使用しないまま生活していると、認知症のリスクが約1.9倍に増加することが明らかになっています。
栄養の偏り
入れ歯が合わずにうまく噛めないままだと、食べられる物が限られ、栄養に偏りが出やすくなります。
顎骨壊死
骨粗鬆症のお薬を服用中の場合、合わない入れ歯を我慢して使用して歯茎に深い傷がつくと、骨が壊死することもあります。入れ歯が痛い時は早めに担当医に相談するのが良いでしょう。
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入れ歯の修理・調整
入れ歯は落としたり、無理な力がかかると、割れることがあります。ただ、入れ歯が割れた場合は修理可能なこともございますので、瞬間接着剤を使用せずに早めに担当医に相談しましょう。
入れ歯を作るか悩んでいる方へ
入れ歯(義歯)は、失われた歯を補うための着け外し式の装置です。
歯を失ったままは良くない?!
歯並びや噛み合わせが変わる
歯を失った後に放置してしまうと、隣の歯が倒れてきたり、上下相手側の歯が出てくるため、歯並びや噛み合わせが変化してしまいます。また残っている歯で噛むため、負担が集中し、残りの歯にも大きな負担がかかってしまう悪循環に入ってしまいます。
失った歯を補うため方法の一つが、入れ歯治療です。なお、入れ歯治療の他にはブリッジ、インプラント治療がございます。
入れ歯の利点・欠点
入れ歯は他の治療方法(インプラントやブリッジ)と比べて、治療期間が短く、身体的な負担や費用的な負担も少ない特徴があります。
利点
- 歯を削らない。
- 手術が必要ない。(切ったり、縫ったりしない。)
- 取り外しができ、歯磨きしやすい。
- 治療期間が短い。
- ほとんどの方に適応可能。
- 他の治療方法と比べ、治療費用を抑えやすい。
欠点
- 慣れるまで違和感がある。
- 見た目が悪い。(特に保険適用の入れ歯の金属製バネ)
- 歯茎が痩せると合わなくなる。(調整が必要になる)
- 他の治療方法と比べ、噛み機能が劣る。
- 入れ歯を引っかける歯に負担がかかる。
- 取り外しをして洗浄する手間がある。
入れ歯の種類
保険適用の入れ歯(レジン床義歯)
- レジンと呼ばれるプラスチックの素材で、薄くできず厚くなりやすい。
- 噛む力が強い/食いしばりがある場合、入れ歯が割れることもある。
- 部分入れ歯の場合、金属のバネを残っている歯に引っかけるため、目立つ。
- 保険適用のため、費用を抑えられる。
目立たない入れ歯
- 金属のバネ(金具)がないため、目立ちにくく、見た目が良い。
- 入れ歯の厚みを抑えられ、違和感を減らせる。
- 弾力性がある素材のため、歯茎になじみやすい。
- しなやかさがあり、割れにくい。
- 保険適用外の治療です。
金属床義歯
- 入れ歯の土台に金属を組み込むため、薄くて丈夫です。
- 入れ歯をはめてても、食事の温度を感じやすい。
- たわみにくいため、噛みやすく、歯への負担が少ない。
- 保険適用外の治療です。
痛みが起きにくい入れ歯
- 入れ歯の内側にシリコン製のクッションがあるため、痛みが出にくい。
- 入れ歯が安定しやすい。
- 保険適用外の治療です。
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保険適用と自費の入れ歯の違い
自費 | 保険 | |
---|---|---|
入れ歯の厚み | 薄い | 厚い |
見た目 | 目立ちにくい | 目立つ |
精密さ | 高い | 低い |
耐久性 | 高い | 低い |
種類 | 豊富 | 限定的 |
入れ歯の厚みと装着感
入れ歯装着時の異物感・違和感は、入れ歯の厚みが関係しています。
入れ歯は薄いほど違和感が少ないですが、プラスチック製(保険適用)の場合は薄くすると入れ歯が割れやすくなります。
見た目
入れ歯の見た目に関わるのが、部分入れ歯の金属のバネの存在です。金属のバネのない入れ歯は保険適用外ですが、目立ちにくく見た目が綺麗な利点があります。
精密さ
入れ歯の精密さは材質の種類によって、左右されます。寸法のズレが少ない自費の材質は原価が高い一方で、入れ歯の精度を高めることができます。
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入れ歯治療の流れ
入れ歯が完成するまではおおよそ2〜4回ほどの通院が必要になります。(残っている歯の本数や状況によって異なります。)
1. 診察
歯茎や歯の状況などを確認し、患者様のご希望などをお伺い致します。
2. 治療が必要な歯の有無
入れ歯を作っても、残っている歯が虫歯や歯周病の場合、再び作り直しになってしまうことがあります。
事前に治療が必要な歯がある場合は、相談しながら進めてまいります。
3. 歯型をとる
入れ歯のための型取りを致します。
4. 噛み合わせをとる(咬合採得)
噛み合わせをとり、上下の歯の位置関係を記録します。
5. 試作品を試着(試適)
試作品をお口の中にはめて、歯並びや歯の色、噛み合わせ、ずれなどを確認致します。
6. 完成
完成した入れ歯をお渡し致します。
入れ歯の留意点
違和感や異物感への慣れ
入れ歯は使い始めのときは違和感や異物感を感じることがあります。一方で、使用するうちになじんでいくことも多々あります。
また必要に応じて入れ歯を調整をすることで、使いやすくなります。
すぐ完成しないこともある
良い入れ歯を作るには正しい工程数が必要です。特に残っている歯の数が少ない場合は、必要な工程数が多くなる傾向にあります。「歯が抜けそう..」、「早めに入れ歯が欲しい」場合は、早めに歯医者さんに相談するのがおすすめです。
歯茎の形は変わる?!
私たちの口の中は、歯茎が痩せる・歯が動く・歯がすり減るなどの変化が起こり、入れ歯が合わなくなることがあります。
調整しないまま入れ歯を長く使い続けると、突然入れ歯が割れることもあります。
カビが生えることも?!
入れ歯は誤った保管・使用をすると、カビが発生することがあります。正しい洗浄方法を身につけましょう。
入れ歯がどうしても合わない場合
「過去に何度も調整してもらったけど合わない」・「自費の入れ歯を作ったけど合わない」・「違和感が強くて口に入れてられない(嘔吐反射が強い)」などは入れ歯治療そのものが適していないこともあります。
その場合は、入れ歯以外の治療方法を検討して、噛める生活をしていくのが良いでしょう。
入れ歯以外の選択肢には、
- ブリッジ
- インプラント
がございます。
ブリッジ
失われた歯の両隣の歯を削り、連結した被せ物を装着する治療方法です。
ただし、歯がグラグラしている場合や両隣に歯がない場合は適用にならないことがあります。
インプラント
失われた歯の場所に人工の歯の根を植えて、被せ物を取り付ける治療方法です。隣の歯に負担をかけない・自分の歯のように噛める・違和感がとても少ないなどの利点があります。
「違和感が強くて入れ歯が使えなかった」、「他の歯をなるべく削りたくない」、「しっかりと噛みたい」、健康寿命を延ばしたい方に非常に適した治療方法です。