唾液ってスゴい!
たくさんの働き
唾液は当たり前のように口の中にありますが、実は口や全身の健康を守る大切な役割をしていることをご存知でしょうか。
唾液はただの水分ではなく、抗菌成分のほか100種類以上の成分を含み、「食べる」・「飲み込む」・「しゃべる」ことを助けたり、虫歯や歯周病の予防にも大きく貢献しています。
ここでは、私たちの健康を守っている唾液のたくさんの働きについて、わかりやすく解説致します。
目次
唾液の働き
口の中を洗う
唾液は食べかすや細菌などを洗い流して、口の中を清潔に保つ働きがあります(洗浄作用)。
感染を防ぐ
唾液には自浄作用のほか、「IgA」や「ラクトフェリン」、「リゾチーム」など感染防御機能を持つ成分を含み、細菌の繁殖や感染を防いでいます(抗菌作用)。
粘膜を守る・治す
唾液には「ムチン」と呼ばれるネバネバした成分が含まれ、舌や歯茎を潤滑油やローションのように覆い、粘膜が傷つかないように保護しています(粘膜保護作用)。
またムチンは粘膜表面の水分を保ち、口の中を乾きにくくしています(保湿作用)。
さらに、唾液には上皮成長因子(EGF)」という成分が含まれ、傷ついた粘膜の修復を促します(粘膜修復作用)。
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歯を修復・補修する
唾液は溶けてしまった歯の成分(カルシウムやリンなど)を、再び歯に戻して修復・補修します(再石灰化作用)。
口の中を中性に戻す
唾液は食後に酸性になった口の中を中和し、中性に戻して歯が溶けないようにします(緩衝作用/中和作用)。
味を感じやすくする
味を感じるためには、食べ物の味成分が唾液に溶かされて、舌の味覚センサー(味蕾:みらい)に届けられる必要があります(味覚作用)。
消化を助ける
唾液中の「アミラーゼ」という成分が、お米やパンに含まれるデンプンを分解して、消化を助けています。
飲み込みやすくする
唾液は、口の中で噛み砕かれ散らばった食べ物をまとめて、飲み込みやすくしています。
唾液は1日にどれくらい出る?
健康な成人の場合、唾液は1日に約1.0〜1.5Lの量が分泌されています。ただ、唾液の量は時間帯によって変動し、特に睡眠中は唾液の分泌量が減るため、寝起きは口の乾きを感じやすくなります。
また唾液の量は生活習慣や薬の副作用、加齢、持病などが原因で低下することもあります。
口が乾く!もしかして唾液が少ない?!
「口が乾く」と感じたら、もしかしたら唾液が少ない「口腔乾燥症(ドライマウス)」かもしれません。口の乾きは放置すると、口や全身の健康にも影響を与えます。
口の乾きを感じるときは、早めの検査と治療がおすすめです。当院では、大学病院出身の歯科医師が在籍しておりますので、口の乾きでお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。
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唾液が少ないと、どうなる?
唾液が少なくなると、口の中の細菌が繁殖しやすくなったり、歯や粘膜を保護しにくくなります。
口が乾くと、特に以下の問題が起きやすくなります。
- 虫歯や歯周病の悪化
- 口臭
- 味覚の低下
- 舌がヒリヒリする(舌痛)
- 食べ物を飲み込みにくい。しゃべりにくい。
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唾液が少なくなる(口が乾く)原因は?
唾液が少なくなったり、口が乾く原因には、次のもの挙げられます。
- 生活習慣(水分摂取量や食事内容、喫煙、飲酒など)
- 女性ホルモンの変調
- 薬の副作用
- ストレス
- 加齢
- 全身の病気(糖尿病、シェーグレン症候群、腎臓病など)
- 口呼吸
- 頭頸部がんの放射線治療後の後遺症
唾液はどこでつくられる?
唾液は顎の周りにある「唾液腺」でつくられます。
唾液腺は主に、
- 耳下腺
- 顎下腺
- 舌下腺
の3種類が存在します。
唾液腺でつくられた唾液は、舌の下や頬の内側の粘膜から出て、口の中に広がり、私たちの健康を守っています。
唾液を出すには“よく噛む”
よく噛むと「唾液腺」が刺激されるため、唾液が出やすくなります。唾液が少ない・口が乾くと感じたら、“よく噛む”ことがおすすめです。
また唾液腺を手でマッサージする「唾液腺マッサージ」もございますので、口の乾きにお悩みの方はご参照ください。
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まとめ
私たちの口や全身の健康は、唾液のたくさんの働きに守られています。一方で、生活習慣や薬の副作用、ストレス、ホルモンバランスなどによって、唾液の量は変化してしまいます。
唾液の量は他人と比較しにくく、検査をしないと正常か判断しにくいものです。虫歯や歯周病、口臭、味覚障害、舌の痛みなどでお悩みの方の場合、唾液が関係しているかもしれません。
当院では、大学病院出身の歯科医師が在籍しております。ご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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