「口が乾く」(ドライマウス)の検査

唾液の量を検査する画像

口の乾きの検査では主に唾液の量や質、口の水分量の測定をして調べていきます。また症状や持病に応じて、レントゲン撮影や血液検査などが必要なこともあります。(*必要な検査の種類は、個々の状況によって異なります。)

ここでは、口の乾きを調べる検査方法の種類や内容について、ご紹介致します。

唾液分泌検査

唾液の分泌量を測る検査です。痛みを伴わない検査ですので、ご安心ください。

唾液には

  • 噛むことで出る唾液(刺激時唾液)
  • 自然に出る唾液(安静時唾液)

の2種類があります。

刺激時唾液の検査

検査名 検査内容
ガムテスト 10分間(あるいは5分間)、ガムを噛んで出てくる唾液を容器に採取して唾液量を測定します。
サクソンテスト 2分間、ガーゼを噛んで出てくる唾液を、ガーゼの重さを測定することで、唾液量を測定します。

安静時唾液の検査

検査名 検査内容
ワッテ法 30秒間、脱脂綿を口の中に置き、重さを測定して、唾液量を測定します。
吐唾法 10分間、座って安静な状態で、口の中に出る唾液を採取して、唾液量を測定します。

口の中の水分を測る検査

口腔内水分計の画像

検査名 検査方法
口腔内水分検査 専用の測定器を、舌の上に数秒間接触させて、粘膜の水分を測定します。
唾液湿潤度検査 検査紙を、舌の上に10秒間乗せて、粘膜の水分を染み込ませて測定します。

涙の量の検査

口が乾く病気である「シェーグレン症候群」(*)の診断に使う検査項目の一つです。歯科や眼科で行う検査になります。

左右の目尻に試験紙を5分間つけ、涙の量を測定します。5分間で5mm以下の場合、ドライアイ陽性と診断されます。

*シェーグレン症候群は免疫異常の病気で、唾液腺や涙腺が破壊され、唾液や涙の量が減ってしまう病気です。「口が乾く」人の約7%がシェーグレン症候群と報告されています。

血液検査

「シェーグレン症候群」などが疑われるときに提案される検査です。血液検査で「抗SS-A抗体」、「抗SS-B抗体」を調べ、シェーグレン症候群の可能性を調べます。

検査が必要な場合は、連携する医療機関へ紹介となります。

唾液腺造影検査

唾液腺(唾液をつくる組織)が破壊されていないか、つまっていないか(唾石症)などをレントゲンやMRI撮影で検査する方法です。

唾液腺が異常の病気

  • シェーグレン症候群(唾液腺の破壊)
  • 唾石症(唾液腺がつまる)
  • 唾液腺炎
  • 唾液腺腫瘍

検査が必要な場合は、専門医療機関へ紹介となります。

生検病理組織検査

唇などの粘膜に麻酔して一部を採取し、唾液腺の細胞の様子を顕微鏡で検査する方法です。血液検査や唾液造影検査と同様、シェーグレン症候群の診断基準の一つになっており、唾液腺に炎症が起きていないかなどを調べます。

まとめ

「口が乾く」場合、唾液の量や質、口の中の水分量の検査に加え、舌の状態、服用中のお薬、生活習慣などを含めて、原因を検討していきます。

口がよく乾く場合には別の病気が潜んでいる可能性もあり、早めの検査や相談がおすすめです。また口の乾きが続くと細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まったり、味覚障害や口腔カンジダ症、舌痛症(舌が痛い、ヒリヒリする)などの問題にもつながります。

当院では大学病院口腔外科勤務経験のある歯科医師や薬剤師も在籍しております。口の乾燥でお悩みの場合はお気軽にご相談ください。

口臭

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