歯周病と早産・低体重児出産

妊婦に説明をする歯科医師の画像

歯周病と早産・低体重児出産の関連性は 1996 年に アメリカの Offenbacher らにより初めて報告され、胎児や新生児の健康が守るために、お母さんの歯周病の管理がとても重要であることが多くの論文で明らかになっています。

歯周病と早産の関連

母親が歯周病の場合、歯周病菌が子宮収縮や胎児の成長に影響を与えることで、早産・低体重児出産を引き起こすことが報告されています。

母親が歯周病の場合の出産リスク

歯周病の罹患と早産・低体重児出産の発症リスクの関連画像

歯周病治療の効果

妊婦さんが歯周病治療を受けていると、未治療の場合と比べ、早産・低体重児出産のリスクが低下することが報告されています。

歯周病治療による早産・低体重児出産発症リスクの軽減を示すグラフ画像

知っておきたい!早産・低体重児について

早産・低体重児出産とは,妊娠 22 週以降 37 週未満 の出産である「早産」と 2500g 未満の新生児の出産で ある「低体重児出産」のことを指します。

*「低体重児」は以前、「未熟児」と呼ばれていました。

問題点

早産・低体重児出産の新生児の場合、様々な病気にかかりやすくなるなどのリスクがあります。

発生率

発生率は出産全体の約1割 と言われています。

低体重児の比率を示す画像

原因

母体の年齢や喫煙歴のほか、歯周病や妊娠高血圧症候群、栄養状態などが早産・低体重児の原因と考えられています。

近年の歯科・産婦人科領域での取り組み

歯周病の妊婦は早産・低体重児出産の危険性(リスク)が増えるため、妊娠中や出産前後の口のケアが推奨されています。

*2019年には「妊産婦への予防歯科」の普及のため、日本産婦人科学会と日本歯科医師会が連携事業を発表しました。

まとめ

歯周病は母体だけでなく、早産・低体重児出産など生まれてくる赤ちゃんへ影響を与えます。また妊娠中は生活習慣の変化や女性ホルモンの変調で、歯周病が悪化しやすくなる時期でもあります。

歯茎から腫れた・出血があるなど気になる場合には、お気軽にご相談ください。

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(参考文献)

・Offenbacher S, Katz V, Fertik G, Collins J, Boyd D, Maynor G, McKaig R, Beck J:Periodontal infection as a possible risk factor for preterm low birth weight. J Periodontol, 67:1103-1113, 1996.

・Chambrone L, Guglielmetti MR, Pannuti CM, Chambrone LA:Evidence grade associating perio- dontitis to preterm birth and/or low birth weight:I. A systematic review of prospective cohort studies. J Clin Periodontol, 38:795-808, 2011.

・Lopez NJ, Smith PC, Gutierrez J:Periodontal therapy may reduce the risk of preterm low birth weight in women with periodontal disease:a randomized controlled trial. J Periodontol, 73:911-924, 2002.

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