歯垢 Q&A
目次
Q. 歯垢とは何ですか?
A. 歯垢(しこう)は歯の表面についた白色あるいは黄白色のねばねばとした菌の塊で、プラークとも呼ばれます。歯垢の中には、虫歯菌や歯周病菌など約700種類以上、数十億個以上の細菌が存在します。
なお、同様の細菌の塊は歯茎や粘膜にもくっつくこともあります。
Q. 歯垢は歯磨きで取れますか?
A. 歯垢は柔らかく、歯磨きで取り除くことは可能です。
しかし、歯垢は細菌の作り出す粘っこい成分によって、歯の表面に頑固に付いています。歯垢を取り除くには、歯ブラシの毛先を歯の表面に小刻みに当てることが大切です。
また、歯周病が進んでいる方の場合には歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)が深く、歯ブラシが届かない位置に歯垢がたまりやすくなるため、定期的に歯科医院(歯医者さん)で取ってもらうと良いでしょう。
Q. 歯垢と歯石は何が違うのですか?
A. 歯垢(しこう)は柔らかく、粘りのある菌の塊で、歯磨きで取り除くことができます。
一方で、歯石(しせき)は歯垢が唾液中のカルシウムやリンと反応して硬くなったもので、通常、歯磨きで取り除くことができません。
磨き残しの歯垢は約2〜3日経つと半分くらいが石灰化して硬くなり、10日ほど経つと歯垢の大半が歯石へと変化します。歯石は歯周病や口臭の大きな原因につながるため、歯医者さんで取ってもらうのが良いでしょう。
Q. 歯垢を取るときのコツはありますか?
A. 歯垢を取るコツは、歯磨きの工夫です。歯ブラシの毛先が届きにくい場所は、小さな歯ブラシやフロス(糸ようじ)、歯間ブラシを併用するのがおすすめです。ただ、それでも歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)には歯垢はたまりやすいため、定期的に歯科医院(歯医者さん)で取ってもらうのが良いでしょう。
Q. 歯垢がつきやすいのはなぜですか?
A. 歯垢のつきやすさは個人差もあります。特に以下の方は歯垢がつきやすくなります。
- 唾液が少ない
- 歯並びが悪い
- 口呼吸
- つめものやかぶせものが古く、合っていない
Q. 歯垢が残っていると、どのような問題がありますか?
A. 歯垢にはいろいろな細菌が含まれているため、以下の病気につながることがあります。
- 虫歯
- 歯肉炎、歯周病(歯槽膿漏)
- 口臭
- 口内炎
- 口腔カンジダ症(カビ)
また細菌が増殖すると、以下の全身の病気のきっかけにもなります。
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 心臓病
- 脳卒中
- 早産・低体重児出産
- 誤嚥性肺炎
- 関節リウマチ
- 腎臓病、肝臓病
- 口腔がん(舌がん)
Q. 歯垢は口臭と関係ありますか?
A. 歯垢が多くなると、臭いにおいを放つ菌が口の中に定着しやすく、また歯周病が進行しやすくなるため、口臭につながります。
Q. 口から食事をしていない人でも歯垢はつきますか?
A. 歯垢は食べかすではなく、口の中の細菌の塊であるため、口から食事をしない経管栄養(胃や鼻などからチューブで栄養を送る)の方を含め、誰の口の中にも発生します。
*要介護者等の歯磨きについて、ご不明な点等ございましたらお気軽にご連絡ください。