薬の副作用で歯茎が腫れる?!
薬物性歯肉増殖症 Q&A
本ページでは、薬の副作用で歯茎が腫れる「薬物性歯肉増殖症」に対するよくある質問をご紹介致します。
*当院「大倉山駅前港北歯科クリニック」では、薬剤師免許を有する歯科医師が在籍しております。
目次
Q1. 何のお薬が歯肉増殖症を起こすのですか?
A1. 副作用で歯茎が腫れる(歯肉増殖症)可能性のあるお薬は、大きく分けて以下の3種類があります。
(1)高血圧症や狭心症などに使用される「カルシウム拮抗薬」
(2)てんかんに使われるお薬「フェニトイン」
(3)臓器移植後の拒絶反応を抑える目的や膠原病(リウマチ性の病気など)の治療で使用される免疫抑制剤「シクロスポリン」
Q2. どのくらいの確率で発症しますか?
A2. 発症率はお薬の種類やおくちの中の環境(汚れの多さ)などによって異なります。お薬の種類でみると、発症率が高い順に
抗てんかん薬「フェニトイン」で約50%、免疫抑制剤「シクロスポリン」で約30%、高血圧症や狭心症のお薬「カルシウム拮抗薬」で約20%といわれています。
Q3. お薬の服用量や服用期間も歯肉増殖症に影響しますか?
A3. 使用しているお薬の量や期間との関連は低いとされています。
Q4. どうすれば予防できますか?お薬の変更や中止をした方が良いのでしょうか?
A4. おくちを清潔にすることが予防であり、お薬の変更や中止より優先的とされています。
“薬物性歯肉増殖症”に関しては、歯垢や歯石の存在が悪化の原因になり得ることが示唆されているため、日常的に十分におくちをキレイにすること、定期的に歯医者さんで歯石や歯垢を取り除いてもらうことが大切です。
十分な改善が見られない場合には、かかりつけの先生にお薬について相談してみると良いでしょう。
Q5. 腫れた歯茎に対して、どういう治療をするのですか?元に戻りますか?
A5. 歯茎が腫れた場合、悪化の原因になる歯石や歯垢を取り除くことが最優先です。
歯垢や歯石を取り除くことで、腫れた歯茎は改善しやすくなります。
Q6. 歯茎を切る治療があると聞きました。本当でしょうか?
A6. 治療方法の一つとして存在しますが、最初から選ばれる治療方法ではありません。
クリーニングのみで完治しない重症例の場合、異常に増殖した歯ぐきを切除する方法も存在しますが、切除しても再発する場合があること、また持病を考慮すると外科処置は避けるべきという意見もあり、初期段階から積極的に切除が選択されることはほとんどありません。
Q7. 歯肉増殖症は感染しますか?
A7. いいえ、感染性はありません。人にうつったりすることはありませんが、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、歯の定期健診やクリーニングが推奨されます。
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