乳歯の生え変わりの時期、抜ける順番は?
永久歯の本数、生える順番は?

乳歯から永久歯への生え変わりの時期は特に心配がつきまとうものです。乳歯の生え変わりの時期や乳歯が抜ける順番、「乳歯が抜けたのに永久歯が1年くらい生えてこない」などよくある疑問を含めて解説していきます。

乳歯が生え変わった子供の画像

乳歯から永久歯への生え変わりの時期

乳歯は5〜6歳ごろに下の前歯が生え変わり始め、12〜15歳ごろまでに永久歯が生え揃います。

乳歯の生え変わり

永久歯の本数は?

永久歯の本数は全部で28本(親知らずを除く)です。また20歳前後になると、親知らず(最大で上下左右4本)が生えてくる場合がありますが、親知らずは生まれつき無いこともあります。

*親知らずを含めると永久歯の最大本数は32本です。

乳歯の抜ける本数は?

乳歯は上下合わせ全部で20本抜けます。

抜ける乳歯と生えてくる永久歯の本数は違う

*抜ける乳歯は20本、生えてくる永久歯は28本です。乳歯との交換がない永久歯8本があり、1番奥の乳歯の後ろに上下左右4ヶ所に2本ずつ(4ヶ所×2本=8本)生えてきます。

乳歯が抜ける順番・永久歯が生える順番は?

乳歯が抜ける順番は、永久歯が生える時期とほぼ同じか少し早い時期です。ただし、乳歯から永久歯への生え変わりの時期は個人差があり、1年以上ずれることもありますが、問題になることはほとんどありません。

もし心配な場合にはレントゲンを撮って確認することができますので、お気軽にご相談ください。

永久歯の名前 前からの順番・場所 生える順番(目安)
中切歯 1 7歳 6歳
側切歯 2 8歳半 7歳
犬歯 3 10〜11歳 10歳
第一小臼歯 4 10歳 10歳
第二小臼歯 5 11歳 11歳
第一大臼歯 6 6〜7歳 6歳
第二大臼歯 7 13歳 12歳
第三大臼歯(親知らず) 8 17歳 17歳

*生える時期は目安で、個人差がございます。

乳歯と永久歯の違い

歯の色

永久歯は乳歯より黄色いことが特徴です。歯の生え変わり途中で、乳歯と永久歯が混在している時期は永久歯がやけに黄色く見えることがあります。

歯の大きさ

永久歯は乳歯よりひと回り大きいことが特徴です(一部例外あり)。「乳歯はすきっ歯の方が良い」ことが多く、隙間がない場合は永久歯の生えるスペースがなく、永久歯の歯並びがガタガタになることがあります。

乳歯は薄く、虫歯になりやすい

乳歯の歯質は永久歯の半分程度と薄く、虫歯が進行しやすいことが特徴です。

永久歯が生える前兆(兆候)

歯茎の変化

歯が生える前兆として、次のような歯茎の変化がみられます。

  • 歯茎が膨らむ。
  • 歯茎が徐々に白くなり、硬い。
  • 歯茎が炎症を起こすこともある(痛みや腫れが出ることも)。

乳歯の変化

乳歯の下にある永久歯によって、乳歯の根っこが溶けて、歯の生え変わりが進み、乳歯に次の変化が出ます。

  • 乳歯がグラグラと揺れる。
  • 乳歯が赤い。

ただし、乳歯が赤い場合、生え変わりのサインのほか、知らないうちに歯をぶつけたことによる影響も考えられます。

歯の生え変わり
歯医者さんに相談した方が良い状況

乳歯が抜けないのに、永久歯が内側から生える

乳歯が抜けないのに、永久歯が内側や横など正しくない位置から生えてくることがあります。

永久歯の邪魔をしている?

乳歯がグラグラ揺れている場合には、歯の生え変わりの準備が進んでいるため、近いうちに抜けることがあります。一方で、乳歯がグラグラしていない場合には、自然に抜けにくく、永久歯が生える邪魔になることもあります。

永久歯が生えてこない、乳歯が抜けない

「乳歯が抜けたのに、永久歯が1年以上生えてこない」や「適齢期を過ぎても乳歯が抜けない」、「左右対称の一方の乳歯は抜けたのに、もう片方の乳歯の生え変わりが遅すぎる」場合は、次の原因が疑われます。

  • 生まれつき永久歯の本数が足りない(先天性欠如)。
  • 永久歯が変な位置に埋まっている(埋伏歯)。
  • 通常は存在しない余分な永久歯(過剰歯)がある。

ご希望や状況に応じて、永久歯の本数はレントゲンで確認することができますので、お気軽にご相談ください。

先天性欠如について

生まれつき歯の本数が足りない場合を「先天性欠如」と呼びます。

先天性欠如を疑う状況
  • 前から2番目や5番目の乳歯が抜けない。

埋伏歯について

埋伏歯とは、変な位置に埋まって生えてこない永久歯を指します。

埋伏歯を疑う状況
  • 上の前から3番目・1番目、上下の前から5番目の乳歯が抜けない。

過剰歯について

過剰歯とは、通常は存在しない余分な歯を指します。

過剰歯を疑う状況
  • 永久歯の前歯の生え方が斜めになっている。

乳歯の生え変わりの時期に注意したいこと

乳歯を虫歯にさせない

乳歯の虫歯がひどくなると、永久歯や歯並びに影響を与えることがあります。乳歯の虫歯は進行が速いため、予防処置と早めの治療、定期健診が大切です。

生え始めの永久歯は虫歯になりやすい

生え始めの永久歯は「幼若永久歯」といわれ、歯質が未熟で虫歯になりやすい時期です。幼若永久歯は唾液中のカルシウムなどを取り込み、2〜3年かけて大人の「成熟永久歯」へ近づいていきます。

生え始めから2〜3年の永久歯は特に虫歯にならないように、フッ素塗布やシーラントなどの予防処置が大切です。

虫歯予防の方法は?

歯の生え変わりは個人差がある

歯の生え変わりの時期には個人差があり、1〜2年ほどの差があることも少なくありません。目安の時期より多少遅い・早いのはほとんど問題になりませんが、心配な場合にはレントゲンを撮って永久歯の本数や位置の確認できますので、お気軽にご相談ください。

歯茎が腫れることがある

永久歯が生えるときに歯茎の炎症を伴うことがあり、「萌出(ほうしゅつ)性歯肉炎」と呼びます。

炎症が強い場合には食事や歯磨きなど日常生活に支障が出ることがあるため、早めに治療する方が良いでしょう。

永久歯が生えてこないときはどうする?

「乳歯が抜けたのに1年以上永久歯が生えてこない」場合でも、後で永久歯が問題なく生えてくることも珍しくありません。

ただし、次の場合には歯医者さんに一度相談してみる方が良いでしょう。

  • 乳歯が抜けて1年以上経つ。
  • 乳歯が抜ける気配がない。全くグラグラしない。
  • 永久歯の生えるスペースがない。
  • 左右対称の片方の歯は生えているのに、もう一方の永久歯が半年以上生えてこない。
  • かなり早い時期に乳歯が抜けてしまった。虫歯がひどくて早い時期に抜歯になった。
  • 乳歯の時期に癒合歯(2本の乳歯同士がくっついた歯)があった。
  • 背丈のとても低い乳歯がある。

永久歯が生えてこない原因

生まれつき永久歯の本数が足りない

生まれつき歯の本数が足りない場合を「先天性欠如」といいます。

永久歯の先天性欠如の割合

永久歯の先天的欠如の割合は約10%と論文で報告され、10人に1人の頻度でみられます。

また乳歯と乳歯がくっついた歯(癒合歯)があった場合、同じ場所の永久歯が足りない確率が約50〜70%といわれています。

永久歯の先天性欠如はどの歯に多い?

永久歯の先天性欠如は前から2番目、5番目の歯に多いといわれています。

疑われる状況

  • 乳歯が抜ける気配がない。全くグラグラしない。
  • 左右対称の反対側の歯は生えているのに、もう一方の永久歯が半年以上生えてこない。
  • 乳歯の時期に癒合歯(2本の乳歯同士がくっついた歯)があった。
  • 口唇裂・口蓋裂の既往歴がある。

治療

  1. レントゲンを撮って、歯の本数が足りないことを確認します。
  2. 乳歯を長持ちさせるために、適切な予防処置をします。
  3. 乳歯は徐々に弱くなるため、乳歯が将来抜けてしまった場合は、矯正治療や歯を補う治療が必要になります。

永久歯の生えるスペースがない

永久歯が生えるスペース(空間)がない場合には、永久歯が存在しても埋まったまま、生えてこないことがあります。

疑われる状況

  • かなり早い時期に乳歯が抜けてしまった。虫歯がひどくて、早い時期に抜歯になった。
  • 乳歯の時期に、歯と歯の隙間がほとんどなかった。
  • 顎が小さい、永久歯が大きい。

治療

歯科矯正治療で、永久歯の生えるスペースをつくります。

永久歯が埋まっている

永久歯が存在していても、正しい位置にないため、埋まったままの状態(埋伏歯)になることがあります。

治療

埋伏歯は自然に生えることができませんが、矯正治療で引っ張ってあげると生えてこれます。

生まれつき永久歯が多い

生まれつき本数の多い余分な永久歯を「過剰歯」と呼びます。過剰歯が骨の中に埋まっていると、通常の永久歯が生えるのを邪魔してしまうことがあります。

治療

  1. レントゲンを撮って、過剰歯の存在を確認します。
  2. 必要に応じて、過剰歯の抜歯や矯正治療で永久歯が出てくるようにします。

乳歯が骨とくっついている

乳歯の根っこが骨とくっついている場合(骨性癒着)、永久歯が生えてこないことがあります。

疑われる状況

背丈がとても低い乳歯は、骨性癒着が疑われます。

治療

骨とくっついている乳歯はなかなかグラグラしないため、抜けない場合には抜歯が必要になります。


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