歯科麻酔薬の種類と副作用
歯科麻酔薬の代表的な種類やアレルギーなどの副作用の頻度を解説していきます。
目次
成分別
局所麻酔薬は含まれる成分によりエステル型とアミド型の2つに分けられます。
成分の種類 | 代表例 |
エステル型 | プロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン |
アミド型 | リドカイン、ジブカイン、プロピトカイン、メピバカイン |
*歯科治療で使用される局所麻酔薬では効果が高く、副作用の少ない特徴を持つ「リドカイン」が大半を占めます。
特徴
国内で使用されている局所麻酔薬はアミド型とエステル型に分かれ、全部で10種類以上ありますが、多くはアレルギーやアナフィラキシーを起こしにくいアミド型が使われています。
アミド型
肝臓で分解
アミド型の局所麻酔薬は肝臓で分解されるため、肝機能が低下している方の場合には使用量を最小限にする配慮します。
アレルギーについて
エステル型よりもアレルギー反応やアナフィラキシーを起こす可能性がはるかに低いとされています。
エステル型
局所麻酔中毒について
血液や組織中の酵素で分解されるため、体内に残りにくく、局所麻酔中毒の危険性が低いといわれています。
代表的な種類
リドカイン塩酸塩(オーラ注、キシロカイン)
麻酔をしてから効くまでが早く、効いてる時間も長すぎず、アレルギー反応も起こしにくいため、歯科の麻酔で最もよく使われる(全体の約9割)代表的な局所麻酔薬です。
プロピトカイン塩酸塩(シタネスト-オクタプレシン)
肝臓での代謝が他と比べて速いのが特徴で、肝機能や心不全の方にやさしい麻酔薬です。一方で、妊婦さんへの使用は避けた方が良いとされています。
メピバカイン塩酸塩(スキャンドネスト)
血管収縮薬が入っていないため、血圧や心臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などにやさしい麻酔薬です。
一方で血管収縮薬が含まれていない欠点として、他と比べて麻酔時間が短く(30分程度)、比較的長い治療や出血を伴う治療では不向きです。
副作用
副作用にはアレルギー(アナフィラキシー)や局所麻酔中毒などがありますが、いずれも極めて少ない割合と報告されています。
副作用の種類 | 発生頻度(*) |
アナフィラキシー | 0.004% |
局所麻酔中毒 | 0.01 〜0.2% |
*医科と歯科を合わせた報告。
(関連記事)
【麻酔についてのよくある質問】
【麻酔の注射の痛みを和らげる方法】
【抜歯について】
【妊娠、授乳中の方】
【レントゲンについて】