虫歯予防法「シーラント」
虫歯を予防する方法「シーラント」は生えたばかりの永久歯や乳歯など虫歯になりやすい歯に対して行う予防処置です。特に小児など子供の歯に対して行われます。
本ページでは虫歯の予防の強い味方になってくれる「シーラント」について解説していきます。
目次
シーラントとは
虫歯になりやすい「歯の溝」をレジンと呼ばれるプラスチック剤で埋めることで、溝の中に食べかすや虫歯菌が侵入することを防ぎ、虫歯を予防する方法です。数分間で終わる治療であり、歯を削らないため、身体的な負担の極めて少ないことが特徴です。
虫歯予防効果
シーラントは4年以上経過でも約60%の虫歯予防効果が報告されています。またフッ素配合のシーラント剤の場合には歯の再石灰化(修復)を持続的に促す効果もあり、さらに予防効果が高いとされています。
危険性?
シーラントの危険性については1996年に、一部のシーラント剤に含まれる「ビスフェノールA」による環境ホルモン様作用が指摘されました。しかし、その後、指摘されたような事実や危険性はないことが明らかになりました(「厚生労働省e-ヘルスネット」より)。
シーラント処置の手順
- 専用の器具で歯を洗います。
- 風を当てて歯を乾燥させます。
- 専用の液体を歯に塗布して、シーラント剤が歯にしっかりくっつくようにします。
- 歯の溝を埋めるためのシーラント剤を流します。
- 光を数十秒当てて、お薬を固めます。
虫歯になりやすい歯の特徴
特に虫歯になりやすい歯は「生まれたばかりの永久歯や乳歯」(以下参照)です。歯は生えた後約2〜3年が特に虫歯になりやすい時期といわれ、シーラントを行う最適な時期とされています。
生えたばかりの永久歯や乳歯
生えたての永久歯や乳歯は歯の質が弱く、噛み合わせの「歯の溝」が深くて複雑な形をしているため、歯垢や食べかすなどが溜まりやすく、虫歯になりやすいといわれています。
(関連記事)
留意点
永久的ではない
シーラントはプラスチックのような素材で歯になじみやすい反面、口の中の状況によっては欠けたり、年数とともに消耗することもあります。
全ての虫歯を予防するわけではない
シーラントは「歯の溝」の虫歯の予防に効果を発揮する方法です。
「歯と歯の間」や「歯の付け根」など全ての虫歯を防げるわけではりません。虫歯を予防するためにはフロス(糸ようじ)や歯間ブラシ、フッ素配合の歯磨き粉などを活用して、歯垢をなるべく取り除くと良いでしょう。
まとめ
虫歯を予防するためにはシーラントの他、定期的に歯科検診を受け、歯医者さんで虫歯の確認やフッ素塗布、クリーニングをしてもらうと良いでしょう。
(参考文献)
・Llodra JC, et al. Factors influencing the effectiveness of sealants–a meta-analysis. Community Dent Oral Epidemiol. 1993; 21(5): 261-268.