抜歯後の生活上の注意
うがいをしすぎない
抜歯した後、傷口の穴には血餅と呼ばれる血液の固まった“かさぶた”ができます。うがいをたくさんしたり、強くすると“かさぶた”(血餅)が取れ、血が止まらない・再び出血することがあります。
唾液に少し血が混じる程度は特に異常でないため、うがいをたくさんまたは強くしないようにしましょう。
また抜歯後の穴に食べ物が詰まることがありますが、やさしくうがいをするなどにとどめ、無理に自分で触ったりせず、気になる場合には歯科医院(歯医者さん)で診てもらいましょう。
血が止まらない、再び出血した場合
清潔なガーゼを丸めて厚みをつくり、抜歯した穴に当てて20〜30分ほどしっかりと噛んで圧迫して止血をします。
それでも止まらない場合などは抜歯をした歯科医院や夜間・休日急患歯科診療所などを受診した方が良いでしょう。
入浴、運動、お酒
心拍数や血圧が上がったり、血流が良くなることで血が止まらない/再び出血することがあります。
長時間の入浴、激しい運動、力仕事、アルコールは避けた方が良いでしょう。
またタバコ(喫煙)は血流が悪くなり、傷口の治りが遅くなる可能性がありますので、注意しましょう。
歯磨き
傷口を刺激しないように歯磨きをして、口の中を清潔に保ち、傷口が感染しないようにしましょう。
*抜歯した後は口が開きにくいこともあるため、小さい歯ブラシに変えて歯磨きをするのも良いでしょう。
お薬を飲むのを忘れずに
抜歯後に処方されるお薬は抗生剤(抗菌薬)、痛み止め(鎮痛剤)が一般的です。
これらのお薬には感染予防や痛み、腫れを抑える目的があるので、指示通りに服用しましょう。
食事
免疫力(体力)が低下しないように、栄養を摂り、食事はやわらかいものなどを中心に選ぶと良いでしょう。
また傷の刺激しないように、反対側で食事をする・刺激物(硬いもの/熱いもの/辛いもの)は避けるように心がけましょう。
麻酔が切れるまでの時間
歯医者さんの麻酔は2〜3時間くらい経つと切れ始めます。麻酔が効いている時間は唇や頬、舌を噛んでしまったり、唇が閉まりにくいために食べこぼしをしやすかったり、温度感覚がわからないためにやけどしやすいこともあります。
そのため、食事は麻酔が切れた後を目安とすると良いでしょう。
*麻酔が切れるまでの時間は使用する麻酔の量によっても異なります。
十分な休養
ストレスや睡眠不足、過度な疲労の蓄積などは免疫力を低下させるため、傷を治すには天敵です。
傷をしっかり治すためにもなるべく十分な休養をとりましょう。
冷やすのは?
手術後に患部を冷やす方法はクライオテラピー、寒冷療法、冷却療法、冷庵(れいあん)法などといわれ、患部の痛みや腫れを抑える働きが報告されています。
一方で、過度に患部を冷やすと血流が悪くなり、傷の治りが遅くなることも報告されているので、冷やしすぎるのは避けた方が良いでしょう。
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