歯茎の修復に役立つ!
ビタミンEについて

ビタミンEを豊富に含む食品群の画像

ビタミンEは歯茎の健康に関わる栄養素で、歯周病の一因となる活性酸素の除去や歯茎の血行促進などの役割を担っています。

また体の酸化を防ぐ(サビを取る)ことから、“若返りのビタミン”とも呼ばれている栄養素です。

ここでは、歯茎を修復するビタミンEについて、まとめて解説致します。

働き

 抗酸化作用

「抗酸化作用」とは活性酸素(*)を抑える働きで、老化やがん、免疫力の低下を防ぎます。抗酸化作用はビタミンEのほか、ビタミンAやCにもあり、まとめて抗酸化ビタミン・ビタミンACE(エース)とも呼ばれています。

歯と歯茎を丈夫にする!ビタミンA

歯や歯茎の原料となる!ビタミンC

 *活性酸素とは

「活性酸素」は体内に取り込まれた酸素の一部(数%)が活性化したもので、免疫機能などの役割を果たしています。

しかし、活性酸素が過剰につくられると、細胞や組織を傷つけ、がんや生活習慣病、歯周病の一因になると考えられています。

歯茎を強化したり、歯周病(歯槽膿漏)で炎症を起こした組織の修復を促す働きがあります。

粘膜の強化、修復を促進

歯茎の防御力を強化したり、傷ついた歯茎の修復を助けます。

免疫力を高める

免疫機能を高め、歯周病菌やウイルスに対する抵抗力を高めます。

血行を良くする

血栓や動脈硬化の予防のほか、粘膜や皮膚の新陳代謝を高める働きがあります。

ビタミンEが不足するとどうなる?

歯茎が腫れている画像

口の健康

歯茎などの粘膜の防御力や修復機能が低下し、歯茎の出血・腫れが起きやすくなります。

全身の健康

神経や筋肉が障害を受け、感覚の異常や視覚障害、筋力の低下などが起きたり、血行が悪くなることで肩こりや冷え、頭痛などが引き起こされることがあります。

さらに、抗酸化作用が弱まることで、皮膚の健康が損なわれやすく、シミやシワができやすくなります。

ビタミンEを豊富に含む食品

ビタミンEを豊富に含む食品の画像

ビタミンEは以下の食品に豊富に含まれています。

  • ナッツ、種子類:アーモンドや落花生、ピーナッツ
  • 野菜:モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃなど
  • 魚介類:さけ、たらこ、うなぎ、ツナ、イカなど
  • 油脂類:ひまわり油、大豆油、ベニバナ油、とうもろこし油などの植物油

ビタミンEを摂るときの工夫

栄養について説明する栄養士の画像

油(オイル)やビタミンCと一緒に摂る

ビタミンEは油に溶けやすい性質(脂溶性)があるため、生で食べるより油と一緒に摂る(炒め物や揚げ物、ドレッシングなど)と良いでしょう。

また同じ抗酸化作用をもつビタミンCを含む食品と摂ると、その効果が高まります。

熱や酸に強い・鮮度が良いうちに!

ビタミンEは熱や酸に強いため、調理によって損なわれにくい栄養素です。一方で、酸化しやすいため、鮮度の良いうちに食べることがおすすめです。

摂りすぎた場合の症状

通常の食生活で過剰になる心配はありません。ただし、サプリメントなどを過剰に摂取した場合、出血が止まりにくくなることがあります。

まとめ

ビタミンEは歯茎の健康を維持したり、歯茎の修復を助けてくれる栄養素です。

当院では管理栄養士が在籍し、歯周病の治療と合わせた栄養相談や栄養指導も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

(関連記事)

歯や歯茎にまつわる栄養素


(参考文献)

・平成28年歯科疾患実態調査

・天野敦雄, 岡賢二, 村上伸也(監修). ビジュアル歯周病を科学する. 東京:クインテッセンス出版,2012;17-24.

・柚鳥眞里, 鈴木苗穂, 木村光夫他. 第61回秋季日本歯周病学会学術大会.

・M.Abe, T.Chikazawa, S.Murakami. EuroPerio 8.

・Ye P, Chapple CC, Kumar RK, Hunter N.Expression patterns of E-cadherin, involucrin, and connexin gap junction proteins in the lining epithelia of inflamed gingiva. J Pathol 2000;192:58-66.

・Abe-Yutori M, Chikazawa T, Shibasaki K,Murakami S. Decreased expression of Ecadherin by Porphyromonas gingivalislipopolysaccharide attenuates epithelial barrier function. J Periodont Res 2017;52:42-50.

・Nagarakanti S, Ramya S, Babu P, Arun KV, Sudarsan S. Differential expression of E-cadherin and cytokeratin 19 and net proliferative rate of gingival keratinocytes in oral epithelium in periodontal health and disease. J Periodontol 2007;78:2197-2202.

・Arun R, Hemalatha R, Arun KV, Kumar TSS. E-cadherin and CD1a expression in gingival epithelium in periodontal health, disease and post-treatment. Indian J Dent Res 2010;21:396–401.

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