本当に顎関節症?!
顎が痛む別の病気とは?
「顎が痛い」一度は経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
顎の痛みや違和感…実は、顎関節症以外の病気の場合もあり、早めの治療が必要なこともあります。
ここでは、顎関節症と似た症状を伴う病気について、わかりやすく解説致します。
*当院「大倉山駅前港北歯科クリニック」では、薬剤師免許取得の歯科医師(大学病院出身)が在籍しております。持病やお薬を服用中の方の歯のご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。
目次
症状
何もしなくても痛い
何もしなくても常に痛い症状が1週間以上続く場合、他の病気の可能性があります。
腫れている・熱感がある
顎関節症の場合、外からみて腫れたり、熱を帯びることはほぼありません。腫れたり、熱感がある場合は別の病気の可能性が高いと考えられます。
☟ここからは、顎関節症以外に疑われる病気について、紹介致します。
親知らずの炎症
親知らずは顎関節に近く、親知らずの歯茎に炎症が起きる(智歯周囲炎)と、顎が痛い・口が開かないなど顎関節症と似た症状が出ます。
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歯周病
歯周病は通常ゆっくり進行し、自覚症状はほぼありません。しかし、疲労や睡眠不足、栄養バランスの乱れなどで免疫力が低下すると、顎や頬に急な痛みや腫れ、発熱等をともなうことがあります。
虫歯、歯の根の膿
虫歯がひどい場合や歯の根に膿がたまると、顎や頬に痛みや腫れを伴ったり、頭痛を感じることもあります。
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神経系の病気
神経の炎症、ウイルス感染、腫瘍などによって引き起こされる場合があります。
神経障害性疼痛(三叉神経痛や舌咽神経痛)、帯状疱疹痛、破傷風などの病気の疑いがあります。
三叉神経痛、舌咽神経痛
三叉神経痛は片側のみに、数秒から2〜3分続く痛みが出ることが特徴で、患部が腫れたりすることはありません。
三叉神経痛では会話や食事中に、舌咽神経痛では口を開けたときや飲みこむときに、発作的な痛み(電気が走ったような痛み)が起きます。その他、唇や歯ぐき、頬など触れることで痛みが出ることもあります。
帯状疱疹痛、Hunt症候群、帯状疱疹後神経痛
水ぼうそうに感染経験のある方の約2割に発症し、高齢者に多いとされています。
加齢やストレス、疲労、睡眠不足など免疫力の低下に伴い、体内に潜伏したウイルスが再び活発化し、左右片側の顎や唇、顔面、体の皮膚に発疹や痛みを伴います。
特に、顔面領域に症状が出るものをHunt症候群と呼び、発疹が治った後も痛みが続くものは帯状疱疹後神経痛と呼ばれています。
顎の骨折
ケガや事故後に顎が痛む場合は、骨折の可能性もございます。また下顎の骨折の約3割は、顎の関節に発生しやすいと報告されています。
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その他の骨の異常
顎の骨の脱臼、腫瘍、奇形、骨髄炎などの場合も、口が開かない・顎が痛いなどの症状を伴うことがあります。
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筋肉系の病気
顎の筋肉に萎縮(やせる)や拘縮(固くなり伸びなくなる)、炎症、感染が起きると、顎がうまく動かなかったり、痛みを伴うことがあります。
筋肉系の主な病気には、
- 咀嚼筋腱・腱膜過形成症
- 顎関節強直症
- 筋ジストロフフィー
などが挙げられます。
咀嚼筋腱・腱膜過形成症
噛むための筋肉や腱などが過度に発達した病気で、口を開けにくくなります。顎のエラの筋肉が過剰に発達するため、エラの張った角ばった顔つきが特徴です。
治療は外科手術が主体とされています。
顎関節強直症
幼少期の感染や外傷による炎症などが原因で、関節部が癒着してしまい、顎がうまく動かなくなってしまう病気です。
痛みは伴うことは少ないですが、顎の成長にも影響を与え、変形や歪み(左右非対称)が生じます。治療は外科手術が主体とされています。
全身の病気に由来する場合
自己免疫疾患(関節リウマチなど)、代謝性疾患(痛風、偽痛風)、が原因になることがあります。
関節リウマチ
片側だけでなく、左右両側の顎関節の痛みを伴い、特に寝起きに関節のこわばりを感じることが多いとされています。
顎関節以外にも、手指や手首、ひじ、ひざなどの関節にも同時期に左右対称に同様の症状が見られることが多くあります。
まとめ
顎が痛い・違和感がある場合、早めの治療が必要な病気もございます。病気の種類によっては重症化することもあるため、主治医に早めに相談するのがおすすめです。
当院は大学病院口腔外科出身の歯科医師が在籍しております。顎の異変を感じる場合はお気軽にご相談ください。
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