マウスウォッシュの効果と種類
(洗口液、うがい薬)

マウスウォッシュ(洗口液)の画像

口の中の菌を減らす方法は歯ブラシやフロス、歯間ブラシを使う方法と洗口液(うがい薬、マウスウォッシュ)を使用する方法の2つに分けられます。

洗口液は歯磨きの“代用”にはなりませんが、“併用”することで口の中の菌を効果的に減らす手助けとなります。

効果

歯科衛生士さんの画像

虫歯や歯周病、口臭、誤嚥性肺炎などの予防

マウスウォッシュの殺菌作用は口の中の菌を減らす効果があり、虫歯や歯周病、口臭、誤嚥性肺炎などの予防につながります。

全身の健康の予防

歯周病と全身疾患

多くの成人が抱える歯周病は全身の病気の引き金になることが知られ、全身の健康を保つ上で歯周病の予防や治療はとても大切です。

歯周病と全身の病気

誤嚥性肺炎

さらに高齢化に伴い、日本では肺炎(誤嚥性肺炎を含む)の死亡者数(2020年現在)は約12万人で全体の死亡原因の第4位となっており、肺炎の予防は大きな意味を持ちます。

誤嚥性肺炎

成分

殺菌を示す画像

殺菌作用を持つ成分

洗口液に含まれる殺菌成分には(1)菌のかたまりの“表面”に効くものと、(2)“深部”に効くものがあります。

“表面”の菌に効く成分

イオン性のお薬で、菌のかたまりの表面にくっついて殺菌作用を発揮します。また歯の表面にくっついて汚れをつきにくくします。

  • グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)
  • 塩化セチルピリジウム(CPC)
  • 塩化ベンゼトニウム(BTC)
  • ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)
【グルコン酸クロルヘキシジン(陽イオン性)】

幅広い種類の菌に対する殺菌作用と歯への汚れをつきにくくする働きがあります。

日本では原液濃度(0.05%)に規制され、使う際には薄めて0.01%程度の濃度で使用されています。

【塩化セチルピリジニウム(陽イオン性)】

低濃度でも殺菌作用があり、刺激が少ないことが特徴です。

また上記グルコン酸クロルヘキシジンと同様、歯の表面への汚れをつきにくくする働きや歯肉炎の予防の効果が報告されています。

【塩化ベンゼトニウム(陽イオン性)】

細菌、カンジダ菌(カビ)などへの殺菌効果の他、歯肉炎の予防や汚れをつきにくくする効果があります。

【ラウロイルサルコシンナトリウム(陰イオン性)】

殺菌作用や洗浄作用があり、虫歯や口臭の予防に有効と報告されています。

“深部”の菌に効く成分

非イオン性のお薬で、菌のかたまりに深く浸透して殺菌作用を発揮します。

  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
  • ポビドンヨード(PI)
  • チモール
  • トリクロサン
  • エッセンシャルオイル(EO)
【イソプロピルメチルフェノール】

幅広い種類の菌に殺菌作用を発揮する安全性の高い成分です。

【チモール】

上記の「イソプロピルメチルフェノール」の仲間のような成分ですが、独特な臭いや刺激があります。

【トリクロサン】

殺菌作用と汚れをつきにくくする作用が認められ、マウスウォッシュや歯磨き粉のほか、石けんやシャンプーにも含まれることがあります。

【ポビドンヨード】

イソジン®に含まれる成分で、口の中に存在する菌、カビ、ウイルスに幅広く殺菌効果を発揮します。

【エッセンシャルオイル】

リステリン®などに含まれる植物由来の天然成分(チモール、シオネール、サリチル酸メチル、メントール)で、殺菌作用や炎症を抑える作用があります。

口臭予防の成分

塩化亜鉛、銅クロロフィリンナトリウム

亜鉛や銅イオンが口臭のにおいの成分である硫黄とくっつくことで、においの発生を防ぎます。また金属イオンによる抗菌作用も報告されています。


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