骨密度が下がる「骨粗鬆症」
歯周病との関係は?

歯周病と骨粗鬆症

歯と骨粗鬆症。一見関係のなさそうに見えますが、歯を支えるのも「骨」。実は骨粗鬆症は骨の密度が下がるだけでなく、歯周病が悪化しやすいことが報告されています。

ここでは、歯周病と骨粗鬆症の関係について、まとめて解説致します。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨密度が基準値以下に低下して骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症の患者数は約1280万人(女性約980万人、男性約300万人)で、国民の約10%が該当します。ただし、骨密度が低くくても自覚症状がなく、診断を受けていない方を含めると約2000万人ともいわれています。

原因

  • 女性ホルモン(エストロゲン)の減少
  • 栄養不足(カルシウムやビタミンDなど)
  • 持病(糖尿病、腎臓病、肝臓病、リウマチ、動脈硬化、甲状腺機・副甲状腺能亢進症など)
  • 生活習慣病
  • 運動不足
  • 喫煙、飲酒
  • 加齢

男女比1:3で女性の方が多い傾向にあります。骨粗鬆症患者に女性が多い理由は、骨密度の男女差に加え、閉経に伴う女性ホルモンの減少と考えられています。

歯周病や全身との関係

骨粗鬆症は脚・腰の骨だけに現れるわけではなく、あごの骨や歯を支える骨も同様に骨密度の低下がみられることがわかっています。実際、骨粗鬆症の方は、そうでない方と比べて歯周病の進行が約2倍大きいことが報告されております。

骨粗鬆症患者の歯周病進行リスクを示すグラフ画像

歯周病が悪化すると歯がグラグラしたり抜けると、歯の本数が少なくなるため、硬いものや厚みのある食べ物が食べにくくなります。その結果、栄養が低下しやすく、骨粗鬆症の原因や全身の健康に影響を与えやすいとされています。

歯周病と骨粗鬆症の関係の画像

残存歯数と低骨密度の関係を示すグラフ画像

まとめ

骨粗鬆症は歯周病を悪化させる一因と考えられています。一方で、歯周病治療で歯の健康を保つことで、骨粗鬆症を抑えられる可能性も示唆されています。

しっかりと噛み、おいしく食事を摂るには、定期健診や歯のクリーニングが欠かせません。骨粗鬆症や歯周病でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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