赤ちゃんの歯の生え始め
「赤ちゃんの歯が生え始めはいつ?」、「周りの子はもう歯が生えてきたのに..」などお子さんの歯について、心配に感じる点はたくさんあるのではないでしょうか。
ここでは、赤ちゃんの歯が生える前兆(兆候)や時期、生え始めの歯のケアなどについて、まとめて解説します。
目次
赤ちゃんの歯が生える前兆
赤ちゃんの歯の生え始めはいつ?
赤ちゃんの歯の生え始めは離乳食の準備が始まる生後6ヶ月ごろで、下の前歯から生え始めます。
歯の生え始めの前兆(兆候)
赤ちゃんの歯が生え始めるときには、歯茎や行動に変化が起こることがあります。これらは、歯が生えるときの歯茎のむず痒さや痛みが関係しているともいわれています。
- 歯茎が膨らむ、赤い
- よだれの量が増える
- 口に手を入れる
- 物をかじる、噛む
- ぐずる、泣く(夜泣き)ことが多くなる(歯ぐずり)
歯固めはいつ?
1歳ごろになると前歯は生えそろい、奥歯が生え始め、歯固め遊びや手づかみで物を噛む、かじる行動が盛んになり、「食べる」機能がさらに発達していきます。
発熱は?
歯が生えるときに発熱は通常、起こりません。発熱がある場合は、別の原因が疑われます。
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赤ちゃんの歯磨き、生え始めの歯のケア
乳歯が生え始めたら、歯磨きの練習を習慣づけていきましょう。
- 赤ちゃんを仰向けにして、頭を膝の上に乗せて、口の中を見せてもらいましょう。
- 最初は嫌がりますので、口の中を触ることに慣れてもらうと良いでしょう。
- ガーゼや綿棒などで優しく、歯の表面を拭うようにします。
- 慣れてきたら、小さめの子供用歯ブラシで歯に触れてみましょう。
- 歯ブラシが口に入れられるようになったら、1本ずつ優しく磨きましょう。
- また上唇の裏はミルクが残りやすいため、ガーゼで拭うようにしましょう。
- ほめてあげましょう。
嫌がるとき
- 歯磨きを嫌がるときには優しく話しかけたり、楽しく歌を歌いながら、笑顔で行ってみましょう。
- 赤ちゃんが楽な姿勢を探してみましょう。授乳のときの姿勢や、立たせて後ろから抱く体勢を試みるのも良いでしょう。
- どうしても嫌がるときは無理に磨こうとせず、口周りを拭いてあげたり、負担の少ない程度から慣らしていきましょう。
- 歯ブラシではなく、ガーゼを指に巻き付けて歯を拭いてあげましょう。
- 機嫌が良いときに行ってみましょう。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がる場合、歯ブラシが歯茎や上唇小帯(上唇の裏と歯茎を結ぶスジ)に当たって痛い、唾液が口の中にたまって苦しい、体勢が辛いなど赤ちゃんが苦痛を感じる理由があるかもしれません。
力加減や歯ブラシを当てる向き、唇をめくって磨くなども工夫してみましょう。
乳歯は虫歯になりやすい
乳歯の歯質は永久歯の半分程度と薄く、虫歯が進行しやすいことが特徴です。
乳歯の虫歯になりやすい場所
乳歯で虫歯になりやすい場所は、
- 乳歯と乳歯の間(特に奥歯、上の前歯)
- 奥歯の溝
などが代表的です。歯の間は磨き残しが起こりやすいため、子供用デンタルフロスなどを併せて使うのがおすすめです。
上記以外の場所で虫歯がある場合(例えば下の前歯)、虫歯のリスクが非常に高いといわれています。
虫歯になりやすい習慣、状況
☟下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
内容 | 例 |
---|---|
おやつの回数 | おやつやジュースを1日に3回以上食べる、飲む。 |
おやつの内容 | 砂糖を含むクッキーやビスケット、チョコレートを、ほぼ毎日食べる。 |
飲み物 | 甘い飲み物(砂糖を含むジュースや乳飲料、スポーツドリンク、果汁)を、ほぼ毎日飲む。 |
母乳 | 母乳を飲みながら寝る習慣がある。 |
哺乳瓶 | 哺乳瓶でミルク等(お茶、水を除く)を飲みながら寝る習慣がある。 |
歯磨きの習慣 | ほとんどない。 |
歯垢 | 上の前歯4本の前面に、半分以上の歯垢や歯石が付いている。 |
(参考資料)「(改訂第9版 愛知県母子健康診査マニュアル準拠)乳幼児健診の歯科医師用手引き」一部改変
虫歯菌はうつる?
虫歯菌は唾液を介して、人へうつります。歯が生えると虫歯菌が定着するため、歯が生えた赤ちゃんは早くも虫歯の感染リスクがあります。
何歳までにうつる?どこからくる?
虫歯菌の感染経路は主に家族(特に母親)からといわれ、特に1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月ごろに感染率が急上昇し、2歳半の子供の約6〜8割はすでに虫歯菌を保有するとも報告されています。
また親の虫歯が多いと、子供の虫歯のリスクが高まることも明らかになっています。
「虫歯かも…」と感じる場合や「定期健診やクリーニングをしばらくしてない」場合には、赤ちゃん・子供のためにも、定期検診を受けることがおすすめです。
歯医者さんに聞く「赤ちゃんフッ素塗布や定期健診はいつから?」
最初の乳歯が生えてきたら、歯医者さんに診てもらうのが最もおすすめです。
赤ちゃんの歯医者さんデビューはなぜ必要?
歯の生え方や形・大きさ、虫歯の有無、舌小帯(舌の下のスジ)、上唇小帯(上唇の粘膜と中央の歯茎を結ぶスジ)など多くのことを確認する必要があり、異常がある場合には将来的な歯並びや噛み合わせなどに影響することがあります。
歯医者さんに相談した方が良い状況
- 1歳を過ぎても乳歯が1本生えてこない
- 生まれたときあるいは生後1ヶ月以内に歯が生えている
- 歯と歯がくっついている
- 乳歯に白色や黄色、茶色などの斑点や模様がある
乳歯が生えてこない
乳歯の生え始めの時期は個人差があり、生後6ヶ月ごろに生えていなくても、ほとんど問題はありません。しかし、1歳を過ぎても1本も乳歯が生えていない場合、生まれつき歯の本数が足りない(先天性欠如)の疑いがあります。
歯の生える時期が早すぎる
出生時に生えている歯や生後1ヶ月未満で生えてきた歯を「先天性歯」と呼びます。「先天性歯」があると。母乳やミルクをうまく飲めなかったり、舌を傷つけてしまうことがあります。
乳歯と乳歯がくっついている
歯と歯がくっついているものを「癒合歯」と呼びます。「癒合歯」は下の前歯で起こりやすく、将来的に永久歯の本数が足りない頻度は約50〜70%といわれています。
乳歯の色が変
乳歯に白色や黄色、茶色などの斑点や気になる模様がある場合、「エナメル質形成不全」と呼ばれる歯の異常の可能性があります。
「エナメル質形成不全」は通常より歯質が弱く、虫歯になりやすいため、早いうちから虫歯予防処置をすることがおすすめです。
まとめ
乳歯の生え始めの時期は離乳の開始時期と重なり、さまざまな変化がみられます。
乳歯は将来の永久歯の歯質や歯並びに影響を与えることがあるため、虫歯予防処置や乳歯の異常の有無の確認を含め、早めに歯医者さんに診てもらうことがおすすめです。
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