いびき・睡眠時無呼吸症候群 Q&A
Q. 睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?
A. 睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に一時的に「呼吸が止まる(無呼吸)」または「呼吸が低下する(低呼吸)」病気で、習慣的にいびきをかく場合には睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いといわれています。
Q. 太っている人がなりやすいと聞いたのですが、痩せ型でもなりますか?
A. 肥満は睡眠時無呼吸症候群の危険性を高めるため、以前は肥満の方の病気と考えられていました。
しかし、睡眠時無呼吸症候群はあごの骨格や舌、扁桃腺の大きさ、習慣的な飲酒、加齢などとも深い関わりがあることが近年の研究でわかり、痩せ型の人でも起きうる病気とされています。
Q. 痩せたら治りますか?
A. 肥満は睡眠時無呼吸症候群を悪化させる原因の一つであるため、運動をして適切に脂肪を減らす(痩せる)ことは有効で、舌や首まわりの脂肪が減ることで、気道を圧迫しにくくなるためと考えられています。
一方で、上記のように肥満以外の原因がある場合には、併せて他の対策も必要になることもあります。
Q. 体にどのような影響がありますか?
睡眠時無呼吸症候群は日中の過度な眠気や注意力・集中力の低下のほか、動脈硬化や高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など様々な病気を引き起こすことが多くの研究で明らかになっています。
Q. 睡眠時無呼吸症候群は高血圧症と関係がありますか?
A. 睡眠時無呼吸症候群の場合には高血圧症になりやすいといわれ、睡眠時無呼吸症候群(AHI≧15)の人は健常者と比べて高血圧症の発症率が約2.89倍高まることが有名な研究(Wisconsin Sleep Cohort Study)で報告されています。
また睡眠不足や不眠も高血圧症と関わりがあり、睡眠時間5時間以下の場合には平均睡眠時間7〜8時間の人と比べて、高血圧症になる危険性が1.32倍高まることが報告されています。
Q. 睡眠時無呼吸症候群は仕事に影響しますか?
A. 睡眠時無呼吸症候群では呼吸が止まることで、睡眠の途中で繰り返し目が覚め、熟睡できないため、日中の過度な眠気や注意力・集中力の低下を招く危険性があります。
2003年2月26日にはJR西日本の山陽新幹線「ひかり126号」で居眠り運転が発生し、のちに運転士の「睡眠時無呼吸症候群」による運転操作の誤りであったことが判明し、社会問題となりました。
特に鉄道や船、飛行機、自動車等の運転手(士)、高い所で作業する方、有害な危険物を扱う業種の方などの場合、重大な事故につながりかねず、国土交通省は「睡眠時無呼吸症候群」の検査や治療を強く推奨しています。
また検査の結果を就業制限(休職)や復職の条件とし、従業員の健康や安全に努めている企業もあります。
Q. 珍しい病気ですか?
睡眠時無呼吸症候群は、軽症な方を含めると国内に約2000万人以上といわれ、自覚症状がない場合も多く、診断を受けていない“隠れ”患者は相当な数がいるといわれています。
Q. どのような検査が必要になりますか?
A. 睡眠時無呼吸症候群の検査は主に「簡易睡眠時無呼吸検査(OCST)」と「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」の2種類です。
「簡易睡眠時無呼吸検査(OCST)」
自宅で小さな機械を手首や指等に装着して、睡眠を測定をします。
「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」
専用の設備が整った病院で宿泊して、多数の機械を装着して睡眠を測定します。
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Q. どのような治療になりますか?
A. 睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療はマウスピース治療とCPAP(シーパップ)です。
歯科が担うマウスピース治療は、下顎(あご)を前に出して気道が広がるように設計されたマウスピースを装着する方法になります。
一方で、CPAPは寝るときに鼻マスクを装着して機械で空気を送り込む方法になります。
Q. CPAP(鼻マスク)とマウスピースの治療はどちらが良いのですか?
A. CPAP(鼻マスク)の方が効果が高いとされていますが、それぞれの治療法に長所・短所を含む特徴があります。
Q. 治療は保険適用になりますか?
A. 歯科で行う睡眠時無呼吸症候群用のマウスピース治療は2004年4月から保険適用になっています。
Q. 睡眠時無呼吸症候群はどのような人がなりやすいのですか?
A. 顎の骨格や舌の大きさ、肥満などと深い関わりがあることが明らかになっています。
Q. 枕の高さや体勢などで対策できることはありますか?
A. 寝るときに、仰向けだと舌が後ろ側(のどの奥)に沈み込みやすく、枕が高すぎてあごを引いた体勢だと気道が狭くなりやすいです。
そのため、寝るときに横向きの姿勢をとったり、高すぎる枕を避けて抱き枕も使うのも良いでしょう。
Q. 睡眠時無呼吸症候群は何科で治療するのですか?
A. 睡眠時無呼吸症候群の治療は医科歯科連携となり、内科や耳鼻咽喉科、循環器内科、呼吸器科、呼吸器内科、小児科、歯科、口腔外科などで行われています。
特に歯科では睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療を担っています。
Q. 睡眠時無呼吸症候群に効く治療薬はありますか?
A. 添付文書(お薬の説明書)で睡眠時無呼吸症候群への効果が記載されている保険適用のお薬は、「アセタゾラミド」と「モダフィニル」です。
ただし、睡眠時無呼吸症候群の治療はCPAPやマウスピース治療が一般的で、外科手術での気道を狭くしている原因を取り除く場合もあります。飲み薬は補助的に使われる場合が多いとされています。
| 成分 | 用法及び要領 |
| アセタゾラミド | 1日250〜500mgを分けて服用 |
| モダフィニル | 1日1回200mgを朝服用 |
(参考文献)
・Peppard PE, Young T, Palta M et al. Retorospec- tive study of the association between sleep-disordered breathing and hypertension. N Engl J Med 2000;342:1378-84.
・Nieto FJ, Young TB, Lind BK et al. Association of sleep-disordered breathing, sleep apnea, and hypertension in a large community-based study. Sleep Heart Health Study. JAMA 2000;283: 1829-36.
・Gangwisch J. E et al .,Hypertension ,47,833−839(2006).
