顎関節症
顎関節症とは、顎(あご)の関節や筋肉に異常が起きてしまい、顎の動きが悪くなる病気です。顎関節症は2人に1人が一度は経験するともいわれ、顎の不調で悩む方はとても多いことが報告されています。
症状
顎関節症の主な症状には、
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- 顎が痛い
- 顎を動かすと、シャリシャリ・カクカクと音がなる
- 口が開かない(開けにくい)
などが挙げられます。
また顎関節症はひどくなると、耳の付近や頭の側面(こめかみ)に痛みを感じたり、首や肩がこることもあります。
原因
顎関節症の原因には以下の生活習慣や癖などが挙げられます。顎の関節や筋肉に負担がかかり続けると、関節円板(関節内にあるクッション)がズレたり、関節や筋肉に炎症が起きます。
- 歯列接触癖(Tooth Contacting Habit)
- 歯ぎしり、噛み締め、食いしばり
- 習慣や癖:頬杖をつく、片側でよく噛む、猫背、うつ伏せ寝
- 吹奏楽器の演奏や合唱(発声)など
- ストレス、緊張の持続
- 体が冷える
- 顎をぶつけた
- 関節リウマチ
また顎関節症は1つの原因ではなく、いろいろな原因が積み重なると発症すると考えられています。
患者数
顎関節症は、約50%の人が一生のうちに一度は経験するといわれ、厚生労働省の歯科疾患実態調査では国内の患者数は約1900万人といわれています。
また自覚症状のない「隠れ顎関節症」の方も多数存在し、顎に異常がある方は全体の約4〜7割に達するという報告もあります。
男女差、年齢
男女差
顎関節症の患者数は、女性の方が男性より約1.5〜2倍多い傾向にあります。
年齢
患者数は10代後半から増加し始め、20〜40歳代が多いとされています。
治し方
顎関節はいろいろな原因が重なって発症するため、原因に応じて、以下のいくつかの治療方法を組み合わせて進めることがあります。
- マウスピース
- 低周波機器による理学療法
- ボツリヌス療法
- 生活習慣の改善
- 口の体操
- 顎の筋肉のマッサージ
- お薬(漢方薬を含む)
マウスピース治療
マウスピース治療は、透明な樹脂製のマウスピースを歯に装着し、歯や顎への負担を和らげる治療法です。
低周波機器による理学療法
ボツリヌス療法
ボツリヌス療法とは、ボツリヌストキシンという薬剤をエラの筋肉の緊張をほぐす治療です。気づかぬうちに歯ぎしりや噛み締め、食いしばりなどをしてしまい、筋肉が過度に緊張している場合に大変有効です。
顎関節に負担をかかる!意外な癖?!
今、あなたの上下の歯はくっついていますか?会話や食事以外の時間帯でも、上下の歯が接触したままの状態は異常で、「歯列接触癖(TCH)」と呼ばれています。
歯列接触癖は顎関節症の最大の原因ともいわれ、顎に大きな負担のかかる癖です。顎関節症を治すには、このような癖や生活習慣の見直しも大切です。
早めの相談がおすすめ
顎関節症は進行すると、口が開けられず、食事や会話が十分にできなくなることがあります。
また骨の歪みや変形をきたすこともあるため、顎の痛みや違和感を感じる時は早めに担当医と相談しましょう。
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