歯周病と心臓病、脳卒中
「歯の病気が脳や心臓となぜ関係あるの?」と感じる方も少なくありません。
歯周病菌は血液を介して運ばれ、口から離れた心臓や脳の血管に影響を与え、心臓病や脳卒中の危険性を高めることが1990年代ごろから報告され始めました。心臓病や脳卒中は重篤になることもあり、死亡率も高く、予防が大切です。
ここでは、心臓病・脳卒中と歯周病との関連について、まとめて解説致します。
目次
心臓や脳の血管がつまりやすくなる?!
脳梗塞、心筋梗塞、狭心症
原因
歯周病のほか、喫煙や飲酒、肥満、メタボリックシンドロームなどが動脈硬化の危険性(リスク)を増加させます。
しくみ
歯周病菌や毒素が血管に侵入して動脈硬化を引き起こす結果、心臓病や脳卒中の発症率が高まります。
患者数
厚生労働省の「患者調査」(2017年)によると、患者数は次のようになっています。
病気 | 患者数 |
虚血性心疾患 | 約72万人 |
脳血管疾患 | 約110万人 |
歯周病による心臓病の発症リスク
歯周病による脳卒中の発症リスク
歯茎から菌が侵入しやすい
重度の歯周病では、炎症の起きた歯茎から細菌が体内へ侵入しやすく、心臓で感染(感染性心内膜炎)が起きることもあります。
特に注意が必要な方
- 心臓病の持病のある方
- 人工弁置換術を行った方
上記の方の場合、人工弁に細菌が付着し、感染性心内膜炎を引き起こす場合があるため、担当歯科医師に必ず伝えるようにしましょう。
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