むせる?飲み込みにくい?!
オーラルフレイルについて
オーラルフレイルという言葉をご存知でしょうか。口の衰えが全身の衰えにつながっていく全体の流れを指します。オーラルフレイルが進行すると、将来の要介護になる可能性が高まることが明らかになっています。
飲み込みにくい、むせる、食が細くなってきた…と感じている場合、口や舌の筋力や動きが老化によって低下しているのかもしれません。
ここでは、近年大注目の「オーラルフレイル」について、わかりやすく解説致します。
目次
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルは、口の衰えによって食事がうまく摂れず、やがて心身の機能が低下してしまう一連の流れを指します。
オーラルフレイルは「口腔の虚弱」と直訳され、2013年ごろから提唱された言葉で、口の機能の低下が全身の健康にまで影響を及ぼすことの重大さを示しています。
どれくらいの人が該当する?
50歳以上の約5割が気付かぬうちに、オーラルフレイルになっていると報告されています。
オーラルフレイルの症状は?
口の衰え(オーラルフレイル)には以下の予兆・症状があります。該当する項目を確認してみましょう。
オーラルフレイルの簡単チェック
あなたが選択したのは0個です。赤字項目が2つ以上該当する場合は、オーラルフレイルの可能性が特に高いです。
あなたが選択したのは0個です。
黒字項目の該当個数 | オーラルフレイルの危険性 |
---|---|
0〜2個 | 低い |
3点 | 中等度 |
4点以上 | 高い |
オーラルフレイルは放置するとどうなる?
口の衰えが進行すると、心身の機能の低下につながり、全身の衰えにつながっていきます。
オーラルフレイルの危険性
オーラルフレイルの人はそうでない方と比べ、体の衰え(フレイル)や筋肉量の低下(サルコペニア)が起きやすく、将来的に要介護認定、死亡のリスクが約2倍高いことが報告されています。
オーラルフレイルの人が抱える危険性 | |
---|---|
身体的フレイル | 2.4倍 |
サルコペニア | 2.1倍 |
要介護認定 | 2.4倍 |
総死亡リスク | 2.1倍 |
オーラルフレイルは4段階がある
口が衰えていく「オーラルフレイル」には初期の軽症なものから重症なものまで4段階に分けられます。
「口腔機能低下症」という病名
「オーラルフレイル」と似た言葉に、「口腔機能低下症」があります。「口腔機能低下症」は“口の機能が低下した状態”を指す病名で、「オーラルフレイル」の中の「第3レベル」に該当します。
「口腔機能低下症」は2018年より病気として定められ、保険適用で検査・治療を行うことができます。
オーラルフレイルになりやすい人とは?
特に、次の方は社会とのつながりが少なくなり、オーラルフレイルになりやすいとされています。
- 人との交流が少ない
- 外出する機会が減った
- 一人で食事を摂ることが多い
社会とのつながりが減少すると、まず口や心に衰えが見え始めます。健康的に長生きするには、口の衰えに早く気づき、放置しないことが大切です。
オーラルフレイルの予防・対策
オーラルフレイルの予防・対策は、「口腔機能訓練」(お口の体操)がおすすめです。全身の健康はお口から始まるため、「口腔機能訓練」で口の衰えを防ぎ、しっかりと食事(栄養)を摂ることが、長生きの秘訣です。
(参照記事)
まとめ
お口の老化・衰えは全身の健康にもつながる大きな問題です。むせる・噛みにくいなどのお口のちょっとした変化は、老化の始まりかもしれません。
当院では、「オーラルフレイル」の検査を導入し、全身の健康につながるお口の治療に取り組んでいます。気になるお口のささいな変化などございましたら、お気軽にご相談ください。
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