口腔カンジダ症の治療・予防
口の中にカビが繁殖する「口腔カンジダ症」。カンジダ菌が口の中に増殖すると、舌や歯茎などの粘膜が痛い・ヒリヒリするなど食事や会話などに支障をきたすことがあります。
ここでは、口腔カンジダ症の治療・予防について解説致します。
治療
治療薬
カンジダ菌(カビの一種)に効果のある抗真菌薬が使用されます(保険適用)。服用中のお薬があるときは、飲み合わせを確認しますので、お申し出ください。
その他のお薬
抗真菌薬以外では、以下のお薬が菌の繁殖を抑えたり、口腔カンジダ発症の予防効果が報告されています。
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製品名 | 成分 |
---|---|
ネオステリングリーン®うがい液0.2% | ベンゼトニウム塩化物 |
ヒノポロン®口腔用軟膏 | ヒノキチオール |
予防
定期的な歯のクリーニング
以下の場合は、口の中の菌が繁殖しやすく、口腔カンジダ症を発症しやすくなります。
- 加齢
- 持病や服用中のお薬(ステロイド剤や抗がん剤など)の副作用で免疫力が低下した方
- 口の中や入れ歯が汚れている
- 口が乾く
カンジダ菌の繁殖を防ぐには免疫力を高めたり、定期的に歯のクリーニングを行い、口の中を清潔にすることが大切です。
入れ歯の正しい洗浄
カンジダ菌は入れ歯にくっつきやすいといわれ、入れ歯にぬめりを感じる場合、多くはカンジダ菌の繁殖が原因とされています。
適切な入れ歯のお手入れをおこない、清潔なおくちを保ちましょう。
うがい薬の過剰な使用は避ける
イソジンやアルコール系のうがい薬を長期間継続使用すると、常在菌のバランスが崩れて、口腔カンジダ症を引き起こすことがあります。
唾液の分泌を促す
唾液の量が少ない|口が乾くときは、カンジダ菌が繁殖しやすくなります。
唾液は菌の増殖を抑える働きがありますので、唾液の分泌を促すために口や舌を動かしたり、唾液腺をマッサージすることも大切です。
まとめ
加齢や服用中のお薬の副作用、持病などによっては免疫力が低下しやすく、口腔カンジダ症を発症することがあります。口腔カンジダ症は慢性化すると、「口腔潜在的悪性疾患」(がん化の可能性のある病気)になることもあります。
*特に高齢者やステロイド剤・抗がん剤を使用中の方、糖尿病や腎不全の方は要注意です。
*当院では薬剤師・大学病院出身の歯科医師が在籍しております。舌や歯茎が痛い・ヒリヒリする・違和感を感じる場合は、お気軽にお問い合わせください。
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