知っておきたい!口内炎と栄養
おすすめの食べ物、控えたい食べ物は?!
「口内炎ができて、しゃべったり、食事をすることができない」つらい経験はございませんか。口内炎を予防したり、早く治すためには栄養のバランスが大切です。ちょっとした生活習慣の改善で、口内炎は予防することもできます。
ここでは、口内炎におすすめのビタミン類や鉄分、亜鉛などを含む食べ物、粘膜を刺激しにくい食べ物、調理の工夫などをわかりやすく紹介致します。
目次
口内炎におすすめの栄養素は?
口内炎の予防(早く治す)には、
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンA
- 鉄分
- 亜鉛
などの栄養素が大切です。偏った食生活が続き、ビタミン類やミネラルが不足すると、粘膜の健康を保てず、口内炎を発症しやすくなります。
ビタミンB2
ビタミンB2は粘膜や皮膚の機能を正常に保つ働きがあり、不足すると口内炎・口角炎・口唇炎などの原因になります。
豊富に含む食べ物
- のり
- レバー
- 納豆
- 卵
- モロヘイヤ
- パルメザンチーズ
- カマンベールチーズ
- ブロッコリー
食べるときのコツ
ビタミンB2は熱に強い一方で、水に溶けやすく、光やアルカリ(重曹など)に弱いです。
調理の際は茹でるより、蒸したり炒める方がビタミンB2が失われにくく、また光が当たらない場所で保管するのがポイントです。
ビタミンB6
ビタミンB6は免疫機能の維持のほか、粘膜や皮膚の健康を保ち、赤血球を作るのに必要な栄養素です。不足すると、口内炎・口角炎・口唇炎・貧血などの原因になります。
豊富に含む食べ物
- マグロ
- カツオ
- サバ
- バナナ
- アボガド
- にんにく
- のり
- ごま
- ししとう
- レバー
食べるときのコツ
ビタミンB6はB2と同様、水に溶け出しやすい栄養素です。調理で失われやすいため、茹でるより、生のまま食べたり(刺身やサラダなど)、煮汁ごと食べられる調理方法がおすすめです。
ビタミンC
ビタミンCは粘膜や歯、骨、皮膚の土台を作り、正常に保つ働きがあります。不足すると、歯茎から出血しやすくなったり、歯を支える骨の密度が低下するリスクがあります。
豊富に含む食べ物
- アセロラ
- キウイフルーツ
- パプリカ
- ブロッコリー
- 芽キャベツ
- アボガド
- イチゴ
食べるときのコツ
ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いです。茹でるとビタミンCが流出しやすいため、スープにしたり、電子レンジで加熱する、あるいは炒める調理法がおすすめです。
ビタミンA
ビタミンAは粘膜や皮膚の健康維持を助けたり、免疫機能を正しく保つ働きがあります。不足すると、粘膜や皮膚の乾燥や免疫力の低下から、口内炎・口唇炎につながることがあります。
豊富に含む食べ物
- しそ
- モロヘイヤ
- にんじん
- のり
- 卵
- バター
- レバー
食べるときのコツ
ビタミンAは脂溶性ビタミンで油に溶けやすいです。炒め物やドレッシングと和えるなど油を上手に使って調理するのがおすすめです。
鉄分
鉄分は主に赤血球の材料に使われる栄養素です。不足すると、鉄欠乏性貧血や口の粘膜に炎症(プランマー・ビンソン症候群)が起きます。
プランマー・ビンソン症候群では、舌が赤くツルツルの異常な状態になり、舌が痛い・飲み込みにくいといった症状を伴います。
豊富に含む食べ物
- レバー
- のり
- 昆布、わかめ
- 切り干し大根
- 小松菜
- かたくちいわし
- しじみ
- あさり
亜鉛
亜鉛は味覚の細胞の新陳代謝に深く関わっているほか、免疫機能の調節、ホルモンやタンパク質の合成など身体の成長と維持に必要な栄養素です。
不足すると、味覚障害や免疫力低下、成長障害などをきたします。
豊富に含む食べ物
- カキ
- レバー
- 牛肉
- 卵
- アボガド
- きな粉
食べるときのコツ
亜鉛の吸収率は約30%といわれ、それほど高くありません。効率良く亜鉛を摂取するためには、ビタミンCやクエン酸、動物性タンパク質と一緒に摂るのがおすすめです。
一方で、食品添加物のポリリン酸やアルコールなどは亜鉛の吸収を妨げるため、気をつけたいところです。
気をつけたい!
口内炎のときに避けたい食べ物
口内炎のときにはバランス良く栄養を摂るだけでなく、口内炎を刺激したり、治りを妨げるものを控えるのも大切です。
お酒やタバコ、脂質・糖質の多い食事
お酒やタバコ、揚げ物、デザートやお菓子などを摂り過ぎると、ビタミンが壊されて不足し、口内炎ができやすくなります。
特に、多忙で外食やファストフード、加工食品などに偏っている場合は、注意が必要です。
熱い・辛い・硬いもの
熱い・辛い・硬いものや味の濃い食品は口内炎の傷を刺激し、悪化させてしまうことがありますので、要注意です。
まとめ
口内炎はビタミン類やミネラルなどが不足すると、発症しやすくなります。またビタミン類やミネラルは口内炎のほか、歯や歯茎の健康や味覚にも深く関わっています。
忙しいときは簡単な食事で済ませることもありますが、栄養を意識することで、口内炎の予防や歯茎、全身の健康を守りやすくなります。
当院では管理栄養士、薬剤師兼大学病院口腔外科出身の歯科医師が在籍しております。口内炎や栄養のことでお困りな方はお気軽にご相談ください。
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