口臭のにおい成分
口臭には「ドブ臭い」、「うんち臭い」、「魚臭い」、「生臭い」、「酸っぱい臭い」など多くのにおいの種類があります。
口臭は原因によって、におい成分の種類や量が異なります。ここでは、口臭のにおいの成分と原因の関係について、解説していきます。
主なにおいの成分
口臭の成分の約9割は「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれる硫黄ガスといわれています。
揮発性硫黄化合物とは?
「揮発性硫黄化合物(VSC)」は口臭の主なにおい成分で硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類があります。中でも、口臭の大半は硫化水素とメチルメルカプタンの2種類といわれています。
さらに「揮発性硫黄化合物(VSC)」の約6 割は舌から発生することが、多くの研究で明らかになっています。
口臭のにおい成分と原因
☟下の表は横に移動(スクロール)できます。
成分 | 原因・特徴 | においの種類 |
---|---|---|
硫化水素 |
|
卵が腐ったような臭い |
メチルメルカプタン |
|
魚や野菜が腐ったような臭い |
ジメチルサルファイド |
|
生ゴミのような臭い |
(関連記事)
特に臭いにおい成分は?
歯周病関連のメチルメルカプタンは、特に悪臭の強い成分であり、口臭に大きな影響力があるといわれています。
口臭が発生する仕組み
臭いのもとになる硫黄は私たちの体をつくる成分の一つでもあり、口の中の粘膜や食べ物、細菌など多くのものに含まれています。
口臭となる硫黄ガス「揮発性硫黄化合物」は、口の中の雑菌が剥がれた粘膜や血液成分、細菌の死骸などを分解・発酵することで発生します。
その他の成分
口や肺から出るガスは200種類以上あり、口以外の原因からくる口臭の成分には次のものがあります。
成分 | 原因 | 臭いの種類 | |
---|---|---|---|
揮発性窒素化合物 | アンモニア | 腎臓病など | し尿のような臭い |
トリメチルアミン | トリメチルアミン尿症
(魚臭症) |
魚が腐ったような臭い | |
インドール | 大腸がん | 大便のような臭い | |
スカトール | 大腸がん | おならや便のような臭い | |
低級脂肪酸 | イソ吉草酸 | 腸内細菌から発生し、ほとんどはおならとして排出される | むれた足や靴下のような臭い |
酪酸 | バターや牛乳が腐ったような臭い | ||
プロピオン酸 | すっぱい臭い | ||
カプロン酸 | 汗くさい臭い | ||
揮発性有機化合物 | アセトン | 糖尿病、飲酒 | ツンとする甘い臭い |
アセトアルデヒド | 飲酒 | ツンとするすっぱい臭い |
(関連記事)
口臭の健康への影響
口臭は相手にとって不快であるだけでなく、本人の健康に影響を与えることもあります。
特に口臭に関連する「硫化水素」は、歯周病やがんの原因になる可能性が報告されています。
まとめ
口臭の原因によって、においの種類も異なります。当院では口臭の検査・相談を承っており、原因に基づく治療に取り組んでいます。
口臭について、ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。
(関連記事)