口臭と臭い玉(膿栓)
臭い玉とは、口の奥の扁桃にできる白い膿の塊で、「膿栓(のうせん)」とも呼ばれています。
臭い玉はつぶれると「ドブ臭い」・「うんち臭い」においがするため、口臭の原因の一つとして知られています。
*「臭い玉(膿栓)」は、専門的には「扁桃膿栓症」などと呼ばれています。
臭い玉(膿栓)について
原因
臭い玉は、剥がれた粘膜や食べ物のかす、細菌・ウイルスの死骸などが扁桃腺(口蓋扁桃)にたまることで発生します。
場所
臭い玉は、口の奥の両側にある扁桃腺(口蓋扁桃)にできます。
なぜ扁桃腺にできる?
扁桃腺は表面に細かいくぼみがあり、口や鼻から入ってきた菌やウイルスを捕まえて、体内に侵入するのを防ぐ役割をしています。
習慣的な口呼吸や口が乾燥していると、扁桃腺に膿や汚れがたまりやすくなり、臭い玉が発生しやすくなります。
症状
臭い玉(膿栓)があっても、症状がないことが多いですが、口の奥や喉のあたりに違和感を感じることがあります。
また臭い玉は全体の約3〜4割(*)の人にあるといわれ、臭い玉のある人が必ずしも強い口臭を放つわけではないことが明らかになっています。
臭い玉の取り方(除去)
自分で取る方法やコツは?
臭い玉は食事や咳などで自然に取れるため、無理に自分で取ることは推奨されておりません。
鏡などで臭い玉が確認できると、不安になって早く取りたくなってしまう人も少なくありません。
しかし、扁桃腺の粘膜はピンセットや綿棒でも傷つきやすく、傷から細菌が入って膿がたまると、逆効果になってしまう恐れがあります。
臭い玉は「取る」より「つきにくくする」予防対策に取り組む方が良いでしょう。
予防対策
ここでは、日常の中で取り組める安全で簡単な臭い玉の予防対策をご紹介していきます。
クリーニング
菌や汚れのかたまりである「臭い玉」をつきにくくするためには、口の中の細菌を減らすことが大切です。
定期健診で歯のクリーニングをしてもらい、歯磨きでは落とせない汚れを取り除いてもらいましょう。
鼻呼吸をする(口呼吸を防ぐ)
口呼吸は、ほこりや菌・ウイルスを含む空気を直接吸いこむため、扁桃に膿がたまりやすくなります。
気づくとポカンと口が開いてしまう方は、唇を閉じる筋肉の低下(「口腔機能閉鎖不全」)によって、口呼吸になっているかもしれません。
唾液をたくさん出す
唾液は口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える役割があります。唾液が少なく口の中が乾くと、細菌が繁殖しやすく、臭い玉や舌苔、歯周病、虫歯などのリスクが高まります。
唾液を出す方法
- よく噛む・しゃべる
- 唾液腺をマッサージする
- ガムを噛む
唾液を出すには、唾液腺(下図参照)を刺激するのが効果的です。唾液腺を刺激するには、顎をよく動かしたり、直接で手でマッサージするのがおすすめです。
特に、「ガムを噛む」は別の作業をしながらでも行いやすく、簡単に唾液腺を刺激することができます。
(関連記事)
水をよく飲む
臭い玉は飲み物や唾液を繰り返し飲み込むことで、自然に取れることが一般的です。また水をこまめに飲むことで、口の乾燥を防ぐことができます。
うがいをこまめにしましょう
特に唾液が少なかったり、口呼吸で口が乾きやすい方はうがいをこまめにすることで、口の中を清潔に保ちやすくなります。特に寝起き(起床時)は、口が乾燥して臭くなっているため、うがいをしっかりするのがおすすめです。
また殺菌効果のあるうがい薬を使うのも効果的です。
まとめ
臭い玉(膿栓)は口臭の原因になることがあります。しかし、臭い玉を無理に自分で取ろうとすると、扁桃を傷つけて悪化することもあります。
臭い玉を予防して口臭を治すには、口の中を清潔に保ち、乾燥させないことが大切です。また歯磨きで取りきれない細菌や汚れは、定期健診やクリーニングを受けることがおすすめです。
臭い玉や口臭についてご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
(関連記事)