入れ歯を入れないとどうなる?
抜歯したままで問題ない?!

抜歯後の疑問を抱く人の画像

「入れ歯って必要?!」、「入れ歯は作ったけど、違和感や痛みがあるから使ってない」という方もいるのではないでしょうか。

入れ歯は失った歯を補う装置ですが、実は噛む・しゃべる・飲み込む機能を助けたり、残っている歯の負担を減らしたり、頬がこけて見えるのを防ぐなどいろいろな目的を果たしています。

あまり噛めない生活が続いていると、気付かぬうちに、栄養バランスや認知機能の低下につながることもあります。

ここでは、健康と深く関わる入れ歯の役割・目的について、まとめて解説致します。

栄養の偏り

歯が少なくなったままだと、無意識に硬い食べ物を避けたり、食べられるものに偏りが出ることも珍しくありません。

あまり噛めない人では、炭水化物などの摂取が増える一方で、野菜からのビタミンや肉類からのタンパク質の摂取量が不足しがちになる傾向にあります。

歯の本数と噛める食べ物の画像

噛めない人の栄養摂取量の偏りの画像

噛めない人の食品別摂取量の差を表す画像

認知症になりやすい

歯が少なく、入れ歯を使用していないと、入れ歯を使用している人と比べ、約1.9倍認知症になりやすいといわれています。

入れ歯を使い、よく噛む動作は脳へ刺激を与え、認知症の予防につながると考えられています。

 

歯の本数と認知症のなりやすさの関係の画像

転倒の危険性

残っている歯の本数と入れ歯の使用は、転倒のリスクと関連することも明らかになっています。

歯が少なくて入れ歯を使っていないと、歯がたくさんある人(20歯以上)と比べて、約2.5倍転倒しやすくなると報告されています。

残存歯数と入れ歯の使用と転倒リスクの関係を示すグラフ画像

歯並びについて

抜歯後に歯がないままだと、

  • 隣の歯が傾く。
  • 上下反対側の歯が移動する。

など歯並びや噛み合わせが変化していきます。

歯を失ったまま放置した場合の画像

他の歯への負担

片側だけで噛む癖のある人の画像

歯が少なくなって噛みにくくなると、反対側で噛むことが増えることがあります。片側だけで噛む習慣が続くと、歯に負担が集中し、歯が割れる・歯がグラグラする危険性が高まります。

口が乾く(ドライマウス)

口が乾くイラスト画像

噛む動作は、唾液を出しやすくします。唾液は口に潤いを与えるだけでなく、口の中を洗い流し、細菌の繁殖を防ぐ役割があります。

虫歯や歯周病、口臭などにつながることも…

口の乾きが招く病気

唾液が少なくなると、口の中の細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病、口臭、口内炎、味覚障害、口腔カンジダ症などを引き起こすこともあります。

唾液の働き

口内炎

口腔カンジダ症

噛む・しゃべる・飲み込む

歯は噛むだけでなく、しゃべる・飲み込む機能を助けています。入れ歯を装着して舌と押し当てることで、日常の食事や会話などに円滑に行うことができます。

入れ歯と発音の関係を示すイラスト画像

口元や顔の印象について

口元を見て笑顔になる高齢者の画像

歯が失われ、歯ぐきが痩せると口元のハリがなくなり、唇周囲のしわが目立ったり、口角が下がり(くちがヘの字になる)、老けた印象を与えやすくなります。

入れ歯は装着することで、唇や頬が膨らみ、口元周囲のシワが薄くなり、顔の印象の改善につながります。

まとめ

入れ歯は歯を補う装置ですが、噛む・しゃべる・飲み込む機能の補助、見た目への影響などに関わっています。また入れ歯を使って噛めるようになると、認知症や転倒の予防につながることも明らかになっています。

また抜歯した後に不便を感じなくても、長期間放置すると歯並びや噛み合わせの悪化、残りの歯への負担増加などが生じます。

入れ歯を入れることは、全身の健康のために、また残りの歯のためにも大切です。

「入れ歯を作ろうか悩んでいる」、「抜歯後そのままにしてしまった」などお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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