入れ歯の洗浄は不要?!
入れ歯の汚れで起きる病気
入れ歯は、細菌が付着しやすいことをご存知でしょうか。実は、入れ歯に生息する細菌は虫歯や歯周病、口臭、カビ、肺・心臓病の原因になるものまで様々です。
入れ歯を正しく洗浄して綺麗に保つことは、口や全身の健康にもつながります。
ここでは、入れ歯の汚れと関連する病気について、解説致します。
口の病気
入れ歯の汚れ・細菌は、次の病気の原因になります。
- 口腔カンジダ症(カビ)
- 義歯性口内炎
- 虫歯
- 歯周病
- 口臭
- 口角炎
- 舌炎
その他、がん化する可能性のある白板症や口腔扁平苔癬などの病気との関連も指摘されています。
全身の病気
入れ歯に繁殖した細菌は、唾液と一緒に肺や消化器に侵入したり、血液を介して心臓に侵入することが報告されています。
- 誤嚥性肺炎
- 感染性心内膜炎
- 胃潰瘍
特に誤嚥しやすい方や心臓病の方、免疫力の低下している方は、リスクが高まります。
対策と予防
私たちの口の中には300〜700種類以上、数千億個以上の細菌が生息しています。入れ歯は、一見汚れていなくても、目に見えない細菌が繁殖していることがほとんどです。
ブラシと水洗いだけでなく、入れ歯洗浄剤を使うことが大切です。
まとめ
入れ歯についた汚れや細菌は、口や全身の病気につながるため、正しい入れ歯洗浄方法で洗うことがおすすめです。
また歯茎が痩せるにつれ、入れ歯は合わなくなることもあるので、定期的に入れ歯を調整すると長持ちしやすくなります。
その他、入れ歯の取り扱いや洗浄方法等について、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
(関連記事)
(参考文献)
- 「口腔カンジダの付着およびバイオフィルム形成」二川浩樹先生ら 真菌誌 第46巻 第4号 P233-242,2005
- 「アクリル レジン義歯上のバイオフィルム形成細菌」亀水忠宗先生ら 歯科医学 2008;71(1):49−58,
-
「感染症予防のためのデンチャープラークコントロール 第1報 デンチャープラーク中の胃潰瘍原因菌Helicobacter pyloriの検出」寺田容子先生ら補綴誌,J JPn Prosthodont Soc, 43:100~104, 1999.