歯が溶ける?!
歯科特殊健康診断(歯牙酸蝕症健診)をご存知ですか?
目次
歯科特殊健康診断(歯牙酸蝕症健診)とは?
歯科特殊健康診断は、有害な化学物質を扱う労働者の歯や歯茎などの健康を診断するものです。
*当院には、日本歯科医師会認定の産業歯科医が在籍しております。
*2022年10月より、酸などを扱う仕事する方は6ヶ月以内ごとに最低1回、定期的な歯科特殊歯科健康診断(歯牙特殊健診)の受診が義務づけられています。
*「ごくたまに」、「短時間だけ」、「少量だけ」使う場合でも、健診の対象となります。
化学物質で起きうる
歯や口の健康障害とは?
産業で使われる化学物質によって、以下の問題が起きることがあります。注意すべき点は、自覚症状ないものもある点です。
- 歯が溶ける(歯牙酸蝕症)
- 歯の変色
- 歯茎の炎症、口内炎
- 口臭
- 味覚障害
- 口唇の感覚異常
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仕事・酸の種類
酸などの化学物質を取り扱う有害な業務が対象となります。
有害な業務とは、塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・フッ化水素・黄りん・その他、歯または歯茎などに有害なガス、蒸気(ミスト)または粉塵を発散する場所における業務とい定められています。
*作業現場では約7万種類の化学物質が扱われ、年々増加しています。
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どんな仕事・職業の方に多い?
金属製品の腐食、サビの除去やサビ止め加工などを行う事業場等、以下の仕事の方に多いといわれています(厚生労働省自主点検事業)。
- 化学工業
- 窯業・土石製品製造業
- 非金属製品製造業
- メッキ工場
- バッテリー製造工場
- 塗装業
- 金属加工業
*同じ物質を取り扱っていても、作業時間や頻度、作業環境、口の開き方、唾液の量、歯並びなどによって、健康への影響は異なります。
歯科特殊歯科健康診断の内容
問診やお口の診査(酸など有害物質による健康障害がないかなど)を行います。
こんな症状はありませんか?
- 口内炎
- 唇や口周囲の感覚の異常(痺れや痛み)
- 口の中の粘膜の痛み
- 特に前歯の形、色の違和感
- 口臭(ニンニク臭)
- 味覚がおかしい
- 顎が痛い
歯科特殊健康診断に関する法律
歯科特殊健康診断は以下の通り、法律で義務付けられています。
- 労働安全衛生法第66条第3項
「事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し厚生労働省令で定めるところにより歯科医師による健康診断を行わなければならない」
※健康診断結果の報告義務があるのは労働者50人以上の事業場ですが、健康診断は、有害業務に従事する労働者が1人でも実施義務があります。
(参考ページ)
まとめ
当院は酸などを取り扱う方の歯科特殊健康診断を行っており、有害物質からお口の健康を守る取り組みをしております。
また当院には、日本歯科医師会認定の産業歯科医が在籍しております。
その他、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
(参考)
- 「厚生労働省自主点検事業」
- 日本歯科医師会「忘れていませんか?歯科特殊健康診断」