口の中に血豆?!
がんとの見分け方は?原因は?
口の中を見ると血豆・黒い点のようなものが…。「口の中に血豆?!」、「がんの心配は..」、「潰す(つぶす)のは?」そんなお悩みのある方はいらっしゃいませんか?口の中の血豆は、隠れた病気の兆候かもしれません。
ここでは、口の中の血豆の原因、治し方などについて、わかりやすく解説致します。
目次
血豆とは?
口の中の血豆は、粘膜の中に血液がたまったもので、血腫と呼びます。
どこにできやすい?
頬の内側や舌、唇、上顎の天井などに発生することが多いです。
症状は?
痛みや違和感があることもあれば、痛くないこともあります。
血豆の原因は?
口の中の血豆の主な原因には、以下の3つが挙げられます。
- 口の中を傷つけてしまった
- アレルギー
- ストレス
さらに、それぞれを詳しくみていきましょう。
いつの間に?! 口の中を傷つけてしまった?
口の中の粘膜が傷つくきっかけには、
- 舌や頬の内側、唇を誤って噛んでしまった。
- 食べ物が当たった。
- 歯磨きの時に、歯ブラシが当たった。
- 矯正器具や入れ歯、詰め物が当たった。
- 歯ぎしりや噛み締め、食いしばりで、歯が当たった。
などがありますが、ご自分で気づかない場合もあります。
アレルギー
特定の食べ物の摂取などをきっかけに、アレルギー反応を起こし、血豆が発生することもあります。
ストレス
ストレスを抱えていると、気づかぬうちに噛み締めや食いしばりを起こし、舌や頬の内側を傷つけてしまうことがあります。
服用薬の影響
脳梗塞や心筋梗塞、不整脈などの病気の場合、血管がつまるのを予防するために、“血液をサラサラにするお薬”を服用することがあります。
“血液をサラサラにするお薬”を飲んでいると出血しやすく、内出血も起きやすいため、血豆ができやすい傾向があります。
また喘息などの病気で使う“吸入ステロイド剤”を使用中の方に起こりやすいという報告もあります。
(関連記事)
血豆と似てる?!
良性の病気
血豆やほくろのような見た目で、以下のような良性の場合もあります。
- メラニン色素沈着
- 母斑細胞母斑(色素性母斑)
口の中の血豆、何日で治る?
口の中の傷やアレルギー、ストレスが原因の血豆は、まず1〜2日程度で血豆が自然に潰れる(つぶれる)ことが多いです。潰れた後は、口内炎のような痛みを伴うことがありますが、約1〜2週間で治ります。
潰す(つぶす)方がいい?
口の中の血豆を早く治すためには、潰したりや刺激を与えないようにしましょう。
血豆に無理に潰したり、刺激を与えると、再発や感染して悪化することもございます。
相談した方が良い?!
こんなときは要注意
- 2週間以上、血豆が治らない(消えない)。
- 粘膜を噛んでないのに、血豆ができている。
- しこりや違和感、痛みがある。
- 血豆が大きくなっている。
- 血豆がよくできる(再発する)。
- 口の中に血豆が複数ある。
- 血豆が潰れた後、出血が止まらない。
血豆とがんの見分け方は?
血豆 | がん | |
---|---|---|
特徴 |
|
|
感触 |
|
|
痛み |
|
|
治るまでの期間 |
|
|
(関連記事)
血豆ができることがある他の病気とは?
頻度は稀ですが、以下の病気では血豆が多発することがあります。
- 血管腫
- 白血病
- 血小板減少性紫斑病
- Achenbach(アッヘンバッハ)症候群
血管腫(血管の塊)
血管腫とは、血管が増殖して異常な塊ができる病気です。血管の塊なので、赤黒く膨らんだ様子で、押すと色が薄くなることもあります。
一般的に痛みはありませんが、膨らんでることが多いため、誤って噛みやすく、痛みや出血を伴うこともあります。
白血病
白血病は血液のがんとも呼ばれ、白血病細胞が増殖して、正常な血液細胞が作られにくくなる病気です。
特に急性白血病は進行が速いことが特徴で、初期段階では風邪と似た症状(発熱や全身倦怠感など)や口の中に症状が出ることも珍しくありません。
口の中の症状は急性白血病の約20〜35%にみられ、
- 歯茎の腫れや出血
- 口の中の粘膜の血豆や出血、腫れ、潰瘍(ただれ)
などが発生することもあります。
血小板減少性紫斑病
血小板減少性紫斑病は、出血を止める「血小板」という血液成分が少なくなる病気で、国の指定難病に定められています。
血小板減少性紫斑病にはいくつかの種類がありますが、出血しやすいことが特徴で、
- 皮下出血
- 歯茎の出血
- 鼻血
- 血尿
- 下血
- 月経過多
などの症状が起こることがあります。
*当院は指定難病の登録医療機関で、指定難病の方の歯科治療も承っております。
まとめ
口の中の血豆は必ずしも悪い病気ではありませんが、稀に命に関わる病気のことがあります。気になる場合や心配な症状がある場合は、主治医とよく相談しましょう。
*当院では、大学病院口腔外科出身の歯科医師が在籍しております。また相談のみの受診も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
(関連記事)