歯の治療のときの体調不良
(偶発症)
歯の治療に対する不安感や緊張、恐怖心が強い場合、まれに体調不良が起きうることが報告されています。これらの体調不良は全身的偶発症と呼ばれ、多くの場合、強い精神的ストレスによって引き起こされることがわかっています。
きっかけとなり得るもの
主なきっかけとしては強い不安・恐怖心、痛みなどが考えられています。
その他、心臓病や高血圧症など血圧の変動が起こりやすい持病をお持ちの場合や貧血、栄養不足、睡眠不足、疲労、服用中のお薬(血圧や心臓病のお薬の一部)などがきっかけになる場合もあります。
不安や恐怖心を感じる場面
歯の治療のうち、特に強い不安や恐怖心を感じる(精神的ストレスが発生する)場面は「歯を削る」、「注射」、「治療時の痛み」であると報告されています。
発生率
偶発症の中で最も多いとされる血管迷走神経反射でも発生率は約0.02〜0.04%といわれています。
(参考文献)
・「血管迷走神経反応(VVR)の発生状況とその誘因因子の分析」予防医学ジャーナル 2012;465号:68-71.
体調不良が起きる時期(タイミング)
体調不良(偶発症)が起きる時期は注射のときや歯の治療中が約7割を占めています。
体調不良の内容
(主な症状)
どのような体調不良(偶発症)が起きるかを見ると、血管迷走神経反射(一時的な血圧や脈拍の低下、貧血など)、過換気症候群(過呼吸)が大半を占めます(日本歯科麻酔学会の統計による)。
予防、対策
痛みや強い不安、緊張、恐怖心が和らげることが予防となります。
痛みが強いときや不安・恐怖感が強い場合には我慢せずに主治医に伝えるようにしましょう。緊急性がない場合には体調を考慮しながら治療時期を相談しましょう。
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