嘔吐反射が強い方必見!
対策と歯科治療について
「嘔吐反射が強いから歯医者さんの治療が苦手」という方も少なくありません。ここでは、嘔吐反射が強い方の対策、少しでも負担なく治療を受けて頂けるための方法について、ご紹介致します。
系統的脱感作法
吐き気が出にくい(えずきにくい)かつ負担が少ないものから徐々に慣れていく方法です。
一般的には舌や口の奥側ほど刺激された時に吐き気が出やすくなります。一方で、前歯など口の入口に近い側ほど刺激されても吐き気が出にくいといわれています。
難易度 | 治療内容 |
---|---|
高 |
|
低〜中等度 | 前歯の治療 |
難易度 | 治療内容 |
高い | 奥歯の治療、歯の型とり、舌を押さえる治療など |
低い〜中等度 | 前歯の治療 |
局所麻酔法
表面麻酔薬を口の中に噴霧(スプレー)することで、粘膜の表面の感覚を一時的に鈍らせることで吐き気やえずきを減らせる場合があります。
笑気吸入鎮静法
吐き気やえずきに関しては治療に対する緊張や不安が関係しているともいわれ、気分を落ち着かせる働きのある笑気吸入鎮静法は有効な選択肢です。
鼻呼吸
普段、口呼吸が習慣化している状態から、歯科治療で急に鼻呼吸を強いられると吐き気が出ることがあります。日常的に鼻呼吸を身につけておくと良いでしょう。
【口呼吸がもたらす影響】
自律訓練法
患者さん自身で可能な取り組みな方法の一つで、次の内容を自身で心の中でゆっくり確認しながら、不安や緊張をほぐします。
- 気持ちがとても落ち着いている
- 手足が重い
- 手足が暖かい
- 心臓の鼓動が穏やかになっている
- 呼吸が楽になっている
- お腹が暖かい
- 額が涼しい
漢方薬
吐き気が出やすい(えずきやすい)人の場合、舌がむくんでいることが多いという報告があります。
一部の論文では、舌のむくみを改善する/吐き気を抑える漢方薬が、吐き気の強い人に有効であったと報告されています。
ツボ(経穴)
特定のツボ(経穴)を刺激することで、吐き気が和らぐことも複数の論文で紹介されています。
- 天突(てんとつ)
- 内関(ないかん)
- 合谷(ごうこく)
- 人迎(じんげい)
- 肩井(けんせい)
生活習慣
胃腸の負担を少なめに
お酒、カフェイン、タバコ
アルコール類(お酒)やコーヒー、エナジードリンクなどのカフェインを多く含む飲み物は過剰に摂ると消化器官に悪影響を与えます。
またタバコは血流を悪くして消化器官の働きを低下させるため、控えることが望ましいでしょう。
暴飲暴食を避ける
食べ過ぎや消化に悪い(脂っこい)食べ物などの摂りすぎは避け、胃や腸などの消化器官に負担がかかりすぎないようにすると良いでしょう。
自律神経のバランス
規則正しい生活
自律神経が乱れると消化器官の活動に影響するため、規則正しい生活習慣を心がけ、自律神経のバランスを整えましょう。
またストレスや睡眠不足、疲労蓄積も吐き気につながる事があります。特に疲れがたまっているときはまず十分な休養を目指しましょう。
注意転換法
意識を別のものに集中させることで、吐き気が出にくいという報告があります。吐き気が出そうになった時の対策方法として、上腕部を自分でつねる(山下の「つねり法」)、脚を上げて保持する(Krolの「下肢挙上法」)などがあります。