がん化するかも?!
口腔潜在的悪性疾患とは?
口腔潜在的悪性疾患とは、2017年の改訂でWHO(世界保健機関)によって新しくつくられた分類で、「がん化する可能性のある口の中の病気」を指します。
口腔潜在的悪性疾患は将来のがん化するリスクを踏まえて、定期的に検診を行うことで、「がん化」したときに早期発見・早期治療につなげる必要なある病気です。
ここでは、口腔潜在的悪性疾患に該当する病気等について、紹介致します。
口腔潜在的悪性疾患に該当する病気
WHO(世界保健機関)の第4版によると、口腔潜在的悪性疾患に該当する病気は以下の12個が挙げられています。
- 紅板症
- 紅白板症
- 白板症
- 口腔粘膜下線維症
- 先天性角化異常症
- 無煙タバコ角化症
- リバーススモーキング(逆喫煙)による口蓋角化症
- 慢性カンジダ症
- 扁平苔癬
- 円板状ループスエリテマトーデス
- 梅毒性舌炎
- 光線角化症(口唇のみ)
病名 | がん化率 |
---|---|
白板症 | 約3〜16% |
扁平苔癬 | 約1〜2% |
がん化するとどうなる?
口腔潜在的悪性疾患はがん化する恐れのある状態で、途中で口腔がんになることもあります。しかし、がん化しても初期の口腔がんは痛みや出血を伴うことは少なく、自覚症状もないことがほとんどです。
口腔がんの症状は?
「最近、そういえば..」と違和感を感じる方は、担当医と相談するのが良いでしょう。
☟以下は口腔がんの疑いのある症状です。
- 3週間以上なかなか治らない口内炎がある。
- なかなか治らない腫れや硬いしこりがある。
- 口の中に出血しやすい場所がある。
- 粘膜が赤い・白い。
- 原因不明な歯のぐらつきがある。
- 抜歯後の傷がなかなか治らない。
- 唇や舌などに痺れを感じる。
- 口臭がある。
早期治療が大切
口腔がんの生存率は進行の程度によって大きく異なります。早期段階の口腔がんの生存率は約9割である一方で、進行すると6割未満、転移すると約3割以下との報告もあります。
口腔がんの場合は外科手術や放射線治療、抗がん剤(化学療法)あるいはそれらを組み合わせた治療が行われます。進行すると手術で切除する範囲が大きく、術後に話しにくい・味を感じにくいといった障害や顎・顔の変形などを伴うこともあります。
粘膜に気になる部分がある場合は定期的に検診を受け、早期治療につなげることが大切です。
まとめ
口腔潜在的悪性疾患はがん化する恐れのある病気です。がん化する可能性やタイミングは予測できるものではなく、自覚症状がないこともあります。
当院では大学病院口腔外科出身の歯科医師が在籍し、院内のCT撮影装置や口腔がん検査器を導入しております。
粘膜に気になる場所がある場合や不安を感じる場合は、お気軽にご相談ください。
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