歯や歯茎、骨に関わる栄養素とは?
歯に必要な栄養といえば、カルシウム…だけではありません。実は、歯や歯茎、歯を支える骨をつくるのにはとても多くの栄養素が関わっています。
栄養のバランスが悪くなると、歯茎からの出血、口内炎、口臭、口が乾く(ドライマウス)、味覚障害など様々な病気につながります。
ここでは、丈夫な歯や歯茎、骨を作るのに必要な栄養素をついて、まとめて解説致します。
目次
歯を丈夫にする カルシウム・リン
カルシウムやリンは、歯や骨を硬くするのに必要な栄養素です。一方で、カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素の一つであり、注意して摂りたい栄養です。
歯の基盤をつくる タンパク質
タンパク質は、歯や骨の土台をつくる大切な栄養素です。コンクリートの中の鉄筋のような役割をして、健康な歯の基盤につくります。
その他、歯茎などの粘膜や免疫機能にも深く関わっています。
歯を強くする ビタミンA
- 歯(エナメル質)や歯茎を丈夫にします。
- 抗酸化作用があり、老化やがん、生活習慣病、免疫力の低下を防ぎます。
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歯茎を健康に保つ ビタミンB群
- 歯茎など粘膜の健康を保ちます。
- 体に必要なエネルギーを作り出します。
- 不足すると、口内炎につながることがあります。
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歯や歯茎、骨の土台となる ビタミンC
- 歯(象牙質)や歯茎、歯を支える骨の土台(コラーゲン)をつくります。
- 免疫機能を高め、歯茎の抵抗力を強化してくれます。
- 抗酸化作用があり、がんや生活習慣病、老化、免疫力の低下を防ぎます。
(詳細記事)
歯茎の血行を良くする ビタミンE
- 歯茎の粘膜に欠かせない栄養素です。
- 血行を促進し、免疫機能を高めます。
- 抗酸化作用があり、がんや生活習慣病、老化、免疫力の低下を防ぎます。
粘膜の治りを助ける 亜鉛
- 粘膜の傷の治りを助けます。
- 舌の味覚に関わる細胞を作るのに役立ちます。
- 免疫力を強化します。
- 活性酸素を抑える酵素の原料になります。
(詳細記事)
抗酸化作用のある ポリフェノール、カロテノイド
抗酸化作用
「抗酸化作用」とは活性酸素(*)を抑える働きで、老化やがん、免疫力の低下を防ぐ役割があるといわれています。
*活性酸素とは
「活性酸素」は体内に取り込まれた酸素の一部(わずか数%)が活性化したもので、免疫機能などの役割を果たしています。
しかし、活性酸素が過剰につくられると、細胞や組織を傷つけ、がんや生活習慣病、歯周病の一因になると考えられています。
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(参考文献)「酸化ストレスと歯周病 生活習慣病・血管病としての歯周病」李 昌一先生 日薬理誌 P144,281〜286(2014)
栄養素の働きと欠乏症
ビタミン類
☟下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
栄養素の種類 | 働き | 欠乏症 | 含まれる食品の例 |
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ビタミンA(βカロテン) |
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など緑黄色野菜 |
ビタミンB2(リボフラビン) |
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ビタミンB6(ピリドキシン) |
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ビタミンB12(シアノコバラミン) |
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ナイアシン(ニコチン酸など) |
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粘膜や皮膚、神経、消化器の異常(ペラグラ) |
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葉酸 |
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粘膜の異常(メラー舌炎) |
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ビタミンC(アスコルビン酸) |
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ビタミンD |
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ビタミンE(トコフェロール) |
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ビタミンK |
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ミネラルとその他
☟下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
栄養素の種類 | 働き | 欠乏症 | 含まれる食品の例 |
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カルシウム |
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リン |
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亜鉛 |
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鉄 |
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カゼイン |
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オメガ3脂肪酸(DHA、EPA) |
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ポリフェノール |
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ー |
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まとめ
偏った食事が続くと、虫歯や歯周病、口内炎、舌炎、口臭、味覚障害、ドライマウスなど様々な病気へつながります。
歯や歯茎、舌、歯を支える骨、全身の健康に保つには、ビタミン類や亜鉛、鉄などバランス良く栄養を摂ることが大切です。当院では、歯科治療と合わせた栄養指導も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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