オーバードーズ(OD)とは?
症状や歯との関連は?!
目次
オーバードーズとは?
オーバードーズとは、お薬を過剰に摂取をすることを意味しています。近年、入手しやすい市販薬を過剰摂取(オーバードーズ)する薬物中毒・乱用が社会問題になっています。
市販薬過剰摂取は若者に多い?!
市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)で救急搬送された方は、平均年齢が25.8歳で女性が約8割と報告されています。
また職業別では学生が最多で33.6%、次いでフルタイム勤務者が26.2%で、8割以上の方が家族やパートナーと同居している方でした。(厚生労働省研究班による調査報告)
オーバードーズするとどうなる?!
症状や後遺症は?
市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)による主な中毒症状は、幻覚や思考力低下(意識が飛ぶこともあり)、多幸感などです。
また体内の薬成分が抜ける時の離脱症状もひどく、強い不安感や脱力感、動機、吐き気などが出る場合があります。
さらに、オーバードーズは重篤な臓器障害になったり、最悪の場合は死亡することもあります。
オーバードーズする動機・理由は?
オーバードーズする理由は興味本位や快楽を得るというより、「精神的な苦痛から逃れたい」や「死にたい(自殺・自傷)」の理由が多いと報告されています。
オーバードーズの理由 | 割合(%) |
---|---|
「ひどい精神状態から解放されたかった」 | 72.6 |
「死にたかった」 | 66.7 |
「どれほど絶望的だったかを示したかった」 | 43.9 |
「誰かに愛されているのかを知りたかった」 | 41.2 |
(参考文献)
歯に関連する症状は?!
口が乾く(ドライマウス) |虫歯|歯周病
薬の副作用で唾液の分泌量が低下し、口が乾きやすくなります。また口が乾くと、口の中の細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
薬剤性ジストニア・ジスキネジア
薬剤性ジストニア・ジスキネジアとは、薬の副作用で口や顎、舌が意図しない異常運動を指します。
具体的には
- 口をモグモグする。
- 繰り返し舌を左右に動かす。回転させる。
- 唇を突き出す、すぼめる。
- 口が開かない|閉じれない。
などの症状が挙げられます。
薬剤性ジストニア・ジスキネジアは、特に抗精神薬・抗うつ薬、胃腸薬、抗めまい薬などで起きることがあります。
歯ぎしり、噛み締め、食いしばり|顎関節症
薬剤性ジストニアの関連で筋肉が強く緊張・収縮し、噛み締めや歯ぎしりが起きることがあります。また筋肉の緊張が繰り返されると、顎関節症を発症することもあります。
歯が溶ける(酸蝕歯)
薬の副作用による嘔吐や唾液が少ないと、口の中が中和できずに酸性になり、歯が溶けやすくなります。
オーバードーズに使われる薬は?
大量服用した際に、濫用の可能性があるお薬には、以下の種類が挙げられます。
- 咳止め(鎮咳去痰薬)
- 風邪薬(総合感冒薬)
- 痛み止め(解熱鎮痛剤)
- 抗アレルギー薬
- 睡眠補助剤
- 眠気防止薬(カフェイン剤)
また厚生労働省は以下の6つの成分を含むお薬を「濫用のおそれのある医薬品」に指定しています。
- エフェドリン
- コデイン
- ジヒドロコデイン
- ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)
- プソイドエフェドリン
- メチルエフェドリン
*2023年4月より販売ルールを見直し、購入できるのは原則1人1箱までとし、中高生などの若者の場合は氏名や年齢を確認するよう販売者に促しています。
まとめ
近年は精神的な苦痛から逃れるために、市販薬のオーバードーズを行い、健康や命を脅かす問題が起きています。深い悩みを抱えてつらい場合は抱え込まず、相談することが大切です。
当院では薬剤師免許を有する歯科医師が在籍しております。薬にまつわるお悩み等ございましたら、お気軽にご相談ください。
*政府はこころの健康相談統一ダイヤルを開設しています。