唾液腺マッサージ

唾液腺を触れる人の画像

唾液腺マッサージは、唾液を出しやすくする方法の一つです。「口が乾く」、「口がネバネバする」、「口臭がある」などでお困りな場合、唾液が少なくない病気(「ドライマウス」)が原因かもしれません。

ここでは、唾液腺マッサージについて、わかりやすく解説していきます。

唾液腺とは

唾液腺とは唾液(つば)をつくる組織で、主に「耳下腺」、「顎下腺」、「舌下腺」の3種類があります。

唾液腺はどこ?(位置や場所)

唾液腺は顎の周りにあり、3種類とも左右一対ずつ存在します。

唾液腺の画像

各唾液腺の特徴

3種類の唾液腺には、次の特徴があります。

☟下の表は横に移動(スクロール)できます。

唾液腺の種類 特徴
耳下腺
  • 最も大きな唾液腺
  • サラサラした唾液をつくります
  • 全唾液量は約25〜30%を占めます。
顎下腺
  • 2番目に大きな唾液腺。
  • 主にサラサラした唾液をつくります。
  • 全唾液量の約60〜70%を占めます。
舌下腺
  • 主にネバネバした唾液をつくります。
  • 全唾液量の約5%を占めます。

唾液について

1日の唾液に出る量は?

唾液は1日に1000〜1500mL(牛乳パック1本分以上)ほど分泌されています。

顎の運動の有無 分泌速度
あり 毎分1〜2mL程度
なし(安静時) 毎分0.3〜0.4mL程度

唾液腺マッサージの方法

唾液腺マッサージは、手や指を使って唾液腺を優しく行いましょう。またマッサージのときは、息を吐きながら行うと効果的といわれています。

耳下腺マッサージ

唾液腺(耳下腺)マッサージ耳の前付近から頬にかけて、指全体を使い優しく10回ほど円を描くようにマッサージします。

耳下腺マッサージを行うと、頬の内側の粘膜から唾液が出てきます。

顎下腺マッサージ

唾液腺(顎下腺)マッサージ

下顎の内側の部分を、親指で優しく後ろから前に押すように5回ほどマッサージします。

顎下腺マッサージでは、舌の下付近から唾液が出てきます。

舌下腺マッサージ

唾液腺(舌下腺)マッサージ

舌の真下あたりを、親指で優しく上方向に押すように10回ほどマッサージします。

舌下腺マッサージでは、舌の下あたりから唾液が出てきます。

効果的なタイミング

寝起き(起床時)

寝起きの人の画像

寝ている間は唾液の量がとても少なくなるため、寝起きは口が乾き、口臭が最も強い時間帯です。

唾液腺マッサージで唾液の分泌を促すことで、口の中の細菌の繁殖を抑えたり、脳の活性化や口周りの筋力の向上につながります。

人と会う前

楽しく会話する人たちの画像

口が乾くと粘膜や舌が動かしにくくなったり、口臭が強くなります。人と会う前に、唾液腺マッサージをして、唾液を増やすと口臭対策にも有効です。

食事の前

食事の前の唾液腺マッサージもおすすめで、唾液が出て食べ物を飲み込みをしやすく、スムーズに食事ができるようになります。

唾液腺マッサージの効果

唾液は口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える役割があります。

唾液が歯の汚れを洗浄する画像

唾液がたくさん出ると、次の利点があります。

  • 虫歯や歯周病、口臭の予防に役立つ
  • 歯に色素汚れ(ステイン)が着きにくい
  • 粘膜が保護し、口内炎を予防しやすい
  • 口の中を中和し、歯を守る
  • 味を感じやすい
  • 食べ物を飲み込みやすい(誤嚥性肺炎の予防)
  • 消化を助ける

口が乾く/唾液が少ないと感じたら

唾液の分泌量は生活習慣や服用中のお薬、疲労・ストレス、加齢などによって、減ってしまうことがあります。唾液が少ない場合には唾液腺マッサージと併せて、「よく噛む」、「水分をこまめに摂る」こともおすすめです。

まとめ

唾液は口の中を清潔に保ったり、味覚や嚥下(飲み込み)にも深く関係しています。唾液腺マッサージは虫歯や歯周病、口臭の予防に役立ちます。

口が乾く・ネバネバする、口臭がある、食べ物が飲み込みにくいなどの症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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