歯周病と肥満
歯周病と肥満の関係は1998年に九州大学の研究で世界で初めて報告されて以降、国際歯科研究学会(IADR)やアメリカ歯周病学会(AAP)など世界各地で、多数報告されています。
歯周病と肥満の関係
肥満(体格指数[BMI]25以上)の場合、歯周病の人の割合が高く、特に肥満度が高い(BMIが高い)ほど歯周病になりやすいことが報告されています。
肥満から歯周病への影響
体内の脂肪組織から炎症を悪化させる成分(TNF-α)が分泌され、歯周病の進行につながると考えられています。
歯周病から肥満
歯周病の炎症によって、脂肪の代謝に異常をきたし、肥満の悪化を招くと考えられています。
肥満について
定義
単に体重が多いことを指すのではなく、「体脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)が25以上の場合」とされています。
脂肪の働き
近年、脂肪は単純に脂肪を蓄える場所というだけでなく、様々な働きを持つ複数のホルモンを分泌することが明らかになっています。
一部のホルモンは体の健康に悪さをして、歯周病を悪化させたり、インスリン(血糖を下げる)の効きを悪くさせるといわれています。
原因
脂質の多い食事、運動不足、歯周病などが考えられています。
患者数、性別、年齢
肥満の人の割合は増加傾向にあり、全人口の約25%(4人に1人)といわれています。
年齢、性別
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、成人において男性の約3割、女性の約2割の方がBMI25以上の肥満に該当すると報告されています。
年代別では、男性では40歳代が最も多く、女性では60歳代が最も多くなっています。
時代変化
食生活の欧米化や運動不足などから肥満の人の割合は増加傾向にあります。
肥満と関連する病気
肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化、心臓病、睡眠時無呼吸症候群など多くの病気の引き金になるとされています。
特に糖尿病への影響は強く、「肥満ー糖尿病ー歯周病」は密接な関係があります。
(関連記事)