酸蝕歯の予防や治療は?
ぜひ知ってほしい!酸蝕歯対策
酸で歯が溶けてしまう「酸蝕歯」は、どのように気をつければ良いか、またどうやって治すのかお悩みやご不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、歯が溶けるのを防ぐ工夫や歯を丈夫にする処置、治す方法などについて、わかりやすくご紹介致します。
予防
酸から歯を守るための予防・工夫には、以下の方法が挙げられます。
- 酸性度の強い食べ物・飲み物を摂り過ぎない。
- 酸性度の強い飲み物(炭酸飲料や柑橘系、お酢系飲料)はストローを使って飲む。
- 食後は水やお茶を飲んだり、ゆすぎ、口の中を中性に戻す。
- 食後にガム(砂糖を含まない)を噛む。
- だらだらと長時間食べたり、飲んだりしない。
- 毛先のやわらかい歯ブラシを使う。
酸性度の高い食べ物・飲み物
歯は酸に弱く、強い酸を含む食べ物・飲み物を摂り過ぎると歯が溶けやすくなります。健康的なイメージのあるクエン酸やビタミンCなどのサプリメント、黒酢、栄養ドリンクなどは酸性度が高く、また酸味の強くない甘いジュースなども歯が溶ける原因になります。
好きなものは食べたい!だけど、習慣的に摂り過ぎないことが大切です。
食後は口の中が酸性に…
通常、食事の後は口の中が酸性になり、歯が溶けやすくなります。なるべく早く、口の中を酸性から中性にするために、食後に水やお茶を飲んだり、ゆすぐことがおすすめです。
また唾液には口の中を中性にする働きがあるため、唾液を出すために、ガムを噛む/唾液腺マッサージをするのも良いでしょう。
食後の歯磨きは?
酸蝕歯の症状がある方は、次のように歯磨きの工夫をしてみましょう。
- 食後に水やお茶でゆすいでから歯磨きをする。
- やわらかめの歯ブラシを使う。
- 歯磨きは力を入れ過ぎない。
食後30分は歯磨きを避けた方が良い?!
現在では多くの専門学会によって、食後早めに歯磨きをすることが推奨されています(日本歯科保存学会・日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会、日本学校歯科医会による)。
*「食後30分は歯磨きを避けること」は、食後30分は酸性で歯が傷つきやすい時間帯であるという内容で、2010年頃に一時的に話題になりました。しかし、試験管内での実験結果であり、実際の口の中とは異なるという意見が多く、また食後すぐに虫歯菌による酸で、歯は溶け始めることが明らかになっています。
摂食障害等で嘔吐してしまう場合は…
摂食障害で嘔吐してしまう場合は、嘔吐前にマウスピースを装着することで、逆流する胃酸から歯を守ることができます。
当院では、摂食障害の方の歯科治療も対応しております。摂食障害で歯でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
治療
軽度
定期的なフッ素塗布を行い、酸に溶けにくい歯にしていきます。また普段からフッ素濃度の高い歯磨き粉を使用するのも良いでしょう。
中等度や重度の場合
酸で溶けた歯の表面のへこみなどは、主にコンポジットレジン(保険診療でよく使うプラスチック材料)で修復します。
また溶けた歯で強く噛む・力がかかる部位は、被せ物を検討することもあります。その他、前歯など見た目を綺麗にする場合にはセラミックなどの治療を選択することも可能です。
歯を修復する材料については、各特徴がございますので、担当医と相談の上、進めていくのが良いでしょう。
まとめ
酸から歯を守るには生活習慣のほか、定期的な歯科健診が大切です。定期検診では歯の異常がないかを確認したり、早めの歯の補強・修復につなげることができます。
「歯が溶けてるか心配」、「すでに溶けた歯について相談したい」などお困りなことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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