「口が乾く(ドライマウス)」の原因

口が乾く原因の画像

「口が乾く」のが気になる方も多いのではないでしょうか。一時的な口の乾きではなく、口がよく乾く場合には病気や食生活、薬の副作用など何らかの原因が隠れているかもしれません。

口がよく乾くと口の中の細菌が繁殖しやすいため、虫歯や歯周病になりやすかったり、口臭の原因にもなります。また舌痛症(舌が痛い、ヒリヒリする)や口腔カンジダ症(口の中のカビの繁殖)、味覚障害などいろいろな病気を引き起こすこともあります。

ここでは、口が乾く原因について、ご紹介致します。

原因

口が乾く原因は、

  • 「病気」
  • 「お薬の副作用」
  • 「生活」
  • 「加齢」

に分けられます。

☞下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。

口が乾く原因
病気
  • 糖尿病
  • シェーグレン症候群(免疫異常)
  • 甲状腺機能亢進症
  • 腎障害
  • 貧血
  • 下痢、脱水症
  • 頭頸部のがんで放射線治療を受けた場合
  • エイズ
  • サルコイドーシス、アミロイドーシス、ハンセン病、結核

など

お薬の副作用
  • アレルギーのお薬
  • 精神・神経系のお薬
  • 高血圧や心臓病のお薬
  • 消化器系のお薬
  • コレステロールのお薬
  • 呼吸器系のお薬
  • 風邪薬
  • 痛み止めのお薬

など

生活
  • 食生活(やわらかい食事や食事制限など)
  • 水分をあまり摂らない
  • 口呼吸
  • 緊張やストレス、疲労の蓄積
  • タバコ(喫煙)や飲酒の習慣

など

加齢
  • 口周りの筋力低下
  • 持病による複数のお薬の服用
  • 更年期

「病気」に起因するもの

糖尿病

血糖値が高くなると尿量が増えるため、脱水状態になり、口が乾きやすくなります。

脳卒中など

脳出血や脳梗塞などの後遺症で口周りに麻痺がある場合、口を動かしにくくなります。口や顎の運動量が減ると唾液は出にくくなります。

唾液をたくさん出すには?

シェーグレン症候群

免疫異常が原因で、唾液腺(唾液をつくる組織)を自分の免疫で破壊してしまう病気です。唾液腺が十分な唾液を分泌できないため、口が乾きます。

唾液はどこでつくられる?

ドライマウス患者の持病を示す画像

「お薬の副作用」

口が乾く副作用のあるお薬は約700種類以上といわれ、お薬全体(日本医薬集掲載)の約1/3〜1/4が該当します。また持病などで服用期間が長いほど、口が乾きやすいといわれています。

代表例として、パーキンソン病やうつ病、喘息、頻尿、心臓病、高血圧、痛み止め、鼻炎など多くのお薬が挙げられます。

ドライマウス患者の服用歴を示す画像

ドライマウス患者の服用薬剤の種類

口が乾くお薬とは?

高血圧と歯の関係は?

薬の副作用で歯茎が腫れる?!

「生活」から影響するもの

食生活

やわらかい食事やダイエットによる食事制限、あるいは1日の食事回数が2回以下などの場合、噛む回数が少なくなるため、唾液が十分に分泌されなくなります。

水分の摂取

「あまり水分を摂っていない」、「喉が渇かない」場合には体内の水分量も少なく、唾液が十分に出なくなります。

口呼吸

気付かぬうちに口で息をしていると、唾液が蒸発して口の中が乾いてしまいます。

お酒

アルコールは利尿作用があり、尿から体内の水分が多く出ていくため、脱水状態になり、口が乾きます。

タバコ

タバコに含まれる有害物質によって唾液の分泌が抑制されるため、口が乾燥します。

ストレスなど

ストレスなどがたまると、自律神経の不調につながり、唾液がうまく分泌できず、口の乾燥につながります。

(下記詳細「神経系の異常」)

「加齢」によるもの

口や舌の筋力低下

唾液は口や舌を動かすと、唾液腺が刺激されて分泌されやすくなります。一方で、加齢や病気で口や舌の筋力が衰えてしまうと、唾液が出にくくなります。

口や舌の筋肉が衰退し、唾液分泌機能などが低下してしまう状態を「口腔機能低下症」と呼び、50歳代で50%以上が該当するといわれています。

(関連記事)

口腔機能低下症

お薬の併用

高齢になるにつれ、いろいろな病気を抱えることも多く珍しくありません。持病で複数のお薬を長く併用すると、口が乾きやすくなります(薬剤性口腔乾燥)。

報告例

口が乾く原因を示す画像

神経系の異常

唾液の分泌は神経系(自律神経や中枢神経)に制御されています。神経系に不調や異常があると、唾液の分泌がうまくできなくなります。

自律神経の不調

過度なストレスやこころの不調、更年期障害などによるものが挙げられます。自律神経のバランスが乱れると、唾液の量が少なくなったり、ネバネバした唾液になりやすいといわれています。

病気やケガによる神経の障害

脳梗塞や頭部外傷などにより、唾液の分泌に関わる神経が障害を受けた場合、正しく唾液が分泌できなくなります。

舌の異常

舌の表面には舌乳頭と呼ばれる細かい突起物の間に、唾液をためる役割があります。

しかし、ビタミンや鉄分の不足やカビの異常繁殖などが原因で、舌乳頭が異常に短くなると、唾液が十分にためられなくなり、舌がパサパサしたり、口の乾燥を感じることがあります。

舌表面の水分を説明する画像

舌乳頭が短くなる病気

舌がヒリヒリする?!ハンター舌炎

舌が赤い?!プランマー・ビンソン症候群

口の中のカビ?!口腔カンジダ症とは?

まとめ

口が乾く原因には、すでに診断されている持病のほか、隠れた病気、生活習慣、薬の副作用、加齢など様々です。また口の乾燥が放置されると、虫歯や歯周病、口臭、口腔カンジダ症(カビの繁殖)や味覚障害、舌痛症(舌が痛い、ヒリヒリする)などの病気につながることもあります。

「口が乾く」状態が続く場合には、早めのご相談をおすすめしております。また当院は薬剤師も在籍しており、口の乾きの相談のみの診察も承っております。口の乾きでお悩み、お困りな方はお気軽にご相談ください。

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「口が乾く(ドライマウス)」の治療

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