ノンクラスプデンチャー
目立たない入れ歯

金属のバネ(金具)のない入れ歯の画像

ノンクラスプデンチャーは金属のバネ(金具)がない、目立たない入れ歯です。「入れ歯の金属が目立つ」というお悩みの方に特におすすめです。

ここでは、近年需要の高まっている「ノンクラスプデンチャー」のメリット・デメリット、費用、保険適用の可否、寿命などについて、わかりやすく解説致します。

ノンクラスプデンチャーとは?

ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネ(金具)がない“目立たない入れ歯”で、柔軟性や強度のある特殊な樹脂(後述)から作られます。

*なお、ノンクラスプデンチャーの名称は、ノン=無い、クラスプ=バネ、デンチャー=入れ歯を意味しています。

通常の入れ歯との違い

保険適用の部分入れ歯の画像

ノンクラスプデンチャーの画像

ノンクラスプデンチャーは、

  • 金属のバネ(金具)がない。
  • 床(しょう)の部分の樹脂の材質が異なり、特殊な柔軟性や耐久性がある。

ノンクラスプデンチャーの材質と種類

  • ポリアミド系
  • ポリエステル系
  • ポリカーボネート系
  • アクリル系
  • ポリプロピレン系

ノンクラスプデンチャー(目立たない入れ歯)の種類

メリット(利点)

目立ちにくい

金属のバネ(金具)が無いため、入れ歯を装着しても目立ちにくく、周囲の人から気づかれにくいです。

装着感が良い・軽い

柔軟性や強度があり、軽い材質なため、通常のプラスチック製の入れ歯(保険適用)と比べ、薄く仕上がり、装着が良いです。

歯を削らない

適度なしなやかさ(弾力性)があるため、ほとんどの場合、歯を削らずに治療を進めることができます。

食べ物が入りにくい

樹脂が歯を取り囲むため、歯と入れ歯の隙間から食べ物が入りにくいとされています。

金属アレルギーの心配がない

ノンクラスプデンチャーは金属を使わないため、金属アレルギーの心配がありません。

臭いがつきにくい

ノンクラスプデンチャーの材質は通常のプラスチック製の入れ歯より、吸水性が低く、汚れや臭いがつきにくいとされています。

欠点

  • 保険適応外の治療のため、保険適用の入れ歯と比べて費用のご負担がございます。
  • 歯の状況によっては、稀に適用にならないことがございます。
  • 修理の場合、お預かりが必要なこともございます。

ノンクラスプデンチャーは寝るときに外した方が良い?

寝る前に入れ歯を外した方が良いか悩む人のイラスト画像

一部の例外を除き、一般的にノンクラスプデンチャーを含む入れ歯は寝るときに外した方が良いとされています。

細菌の繁殖

口の中は数千億個以上の細菌が生息し、入れ歯にもたくさんの細菌がくっつきます。寝ている間は唾液が出にくくなり、口の中を洗い流しにくくなるため、細菌が繁殖しやすく、歯茎が腫れたり、痛みを感じやすくなります。

寝る前に入れ歯を洗浄液につけ、入れ歯を除菌し、歯茎を休ませることがおすすめです。

入れ歯の洗浄

例外も?!

ただし、寝ている間の歯の負担を減らすために、入れ歯を着けたまま寝た方が良いこともあります。

特に、

  • 残っている歯の本数が少ない場合
  • 歯がグラグラする場合

などは入れ歯を着けて歯を固定し、寝ている間の歯ぎしりや噛み締めから歯の負担を減らせることがあります。

寝るときの入れ歯の装着については、担当医と相談する方が良いでしょう。

治療の流れ

1. 診察

歯茎や歯の状況などを確認し、患者様のご希望などをお伺い致します。

2. 治療が必要な歯の有無

事前に治療が必要な歯がある場合は、相談しながら進めてまいります。

3. 治療

  1. 歯型を取ります。
  2. 噛み合わせの記録を取ります。
  3. 試作品の試着を行います。
  4. 完成・入れ歯のお渡しを致します。

4. 調整と定期健診

必要に応じて調整を行います。また口の中の変化(歯茎がやせる/歯が動く等)を定期的に確認し、適宜調整することで、入れ歯を長持ちさせることができます。

治療費用

材質 治療費用(税込)
  • ポリエステル系
  • ポリカーボネート系
  • アクリル系
  • ポリプロピレン系
100,000円
*ポリアミド系 120,000円

*ポリアミド系樹脂製は他種と比べ、特に薄くて丈夫・装着感が良いなどの利点がございます。詳細は担当医にご相談ください。

ノンクラスプデンチャーの歴史

1956年にアメリカのバルプラスト社がバルプラスト®を開発したのが始まりで、欧米では50年以上前から使用されてきた歴史があります。

日本では2008年に、ノンメタルクラスプデンチャーの一部の材料が厚生労働省の薬事認可を受け、普及し始めました。その後、他の種類の材料も認可を受け、2019年の時点で5種類の素材、20製品が存在します。

近年の需要の高まり

部分入れ歯の人の割合のグラフ画像

高齢化に伴い、入れ歯を使用する人は増加傾向にあり、高齢者(65歳以上)の約3割以上が入れ歯を使用しています。

一方で、従来の入れ歯の特徴でもある金属のバネ(金具)に悩みを抱える方は多く、目立たない入れ歯「ノンメタルクラスプデンチャー」の需要は非常に高まっています。

まとめ

入れ歯をお使いの方の場合、「金属のバネが目立つ」、「違和感が気になる」などの悩みを抱えている方もいます。ノンクラスプデンチャーは保険適用外の入れ歯ですが、目立ちにくく、装着感が良いなどの多くの利点がございます。

当院では多くのノンクラスプデンチャーの取り扱いをしております。また相談のみの診察も承っておりますので、入れ歯でお困りな方は、お気軽にご相談ください。

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ノンクラスプデンチャー Q&A

薄くて丈夫な入れ歯(金属床義歯)


(厚生労働省のガイドラインに沿った説明)

・入れ歯治療の説明:失った歯を入れ歯を使用して、人工歯で歯を補う治療です。治療のリスクや副作用:強い力がかかると割れたり、欠ける原因となる場合がございます。土台となる歯に負担がかかる場合がございます。金属を使用する場合、種類や個人によってはアレルギーが出る場合がございます。加齢による口の中の変化によって、定期的に調整が必要になる場合がございます。利用状況によって、数年後に再作成が必要になる場合がございます。

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