歯を削らない・神経を抜かない虫歯治療
カリソルブ
カリソルブは、なるべく歯を削らない・神経を抜かない虫歯治療のお薬です。
「虫歯を治療したいけど、怖い」など機械の音や振動が苦手な方も多いのではないでしょうか。カリソルブ治療では、虫歯を削る機械を(ほぼ)使わないため、心身の負担を最小限にできるのが大きな特徴です。
ここでは、カリソルブの特徴や治療費用(料金)、メリット・デメリットなどについて、わかりやすく解説致します。
目次
カリソルブ治療とは
カリソルブ治療とは、専用のお薬で虫歯を軟らかくして、特殊な器具で虫歯を手作業で取り除く虫歯治療です。
成分
- 低濃度の次亜塩素酸ナトリウム
- 3種類のアミノ酸(L-グルタミン酸、L-ロイシン、L-リジン)
- その他(塩化ナトリウムや水酸化ナトリウムなど)
メリット
- 歯をほとんど削りません。
- ドリルの音や振動の不快感が少なくなります。
- 痛みがほとんどありません。
- 神経とすれすれの虫歯に対して、歯の神経を抜くリスクが減ります。
- 麻酔(注射)が不要なことも多いです。
- 高い安全性が報告されています。
デメリット
- すべての虫歯、歯痛に有効なわけではありません。
- 手作業で虫歯を取り除くため、大きな虫歯では治療時間がやや長くなる場合があります。
他の治療方法との比較
☟下の表は縦横に移動(スクロール)できます。
カリソルブ | 3Mix療法 | ドックベストセメント | |
---|---|---|---|
成分 |
|
3種類の抗生物質
|
銅などのミネラル成分 |
方法 | 虫歯を溶かして、すくい取る。 | 3種類の抗生物質で虫歯菌を殺菌する。 | ミネラル成分で虫歯菌を殺菌する。 |
適用範囲 | 比較的小さな虫歯に適用。 | 深い虫歯にも適用可。 | |
歯を削る量 | 従来の治療(歯を削る)と比べ、最小限に抑えられる。 | ||
痛み | |||
治療回数 | |||
歴史 | 1998年にスウェーデンで開発。 | 1980年後半に新潟大学で研究開発。 | 2002年にアメリカで製品化。 |
厚生労働省の承認 | 未承認 |
*虫歯の部位や大きさなどによって、選択頂ける治療の種類が異なることがあります。担当医とご相談ください。
治療方法
- カリソルブのお薬を虫歯に塗り、30秒ほど待ちます。
- 軟らかくなった虫歯を専用の器具で取り除きます。
- 虫歯を取り除いた後、詰め物や被せ物をして治療完了です。
カリソルブの失敗(無効)・成功を分ける虫歯の状況
カリソルブ治療は、神経まで達する深くて大きい虫歯は適用になりません。
成功率を高めるには?
歯の神経を抜かないためには、早めの虫歯治療が成功のカギとなります。また虫歯を放置せず、定期健診やクリーニングを受けることがおすすめです。
治療費用(料金)
カリソルブは保険適用外(自由診療)で、1歯あたり1万円(税込)となります。
また初診料(再診料)や検査費用等がかかりますが、保険適用の虫歯治療とほぼ同額で、高額な治療費用にはなりませんので、ご安心ください。
施術 | 治療費用 |
---|---|
カリソルブ | 1歯約10,000円 |
*治療回数は歯の状況によって異なります。また、詰め物や被せ物の費用は別途発生しますが、ご自分に合った種類(白いプラスチックや銀歯、セラミックスなど)をお選び頂けます。治療費用について、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
カリソルブの歴史
カリソルブ治療は、1980年代後半に予防先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学で研究開発され、1998年に欧米で治療開始されました。
日本では2007年に厚生労働省に認可され、新しい虫歯治療として普及してきました。
まとめ
カリソルブ治療は専用の薬剤と器具で、虫歯を軟らかくして取り除く虫歯治療です。特に、従来のような削る器具をほとんど使わず、また神経を保護・温存するのに役立つことが特徴です。
一方で、歯の神経を抜くリスクをなるべく減らす予防方法は虫歯を放置せず、定期的な健診やクリーニングを受けることが大切です。また虫歯予防には、フッ素塗布もおすすめです。
カリソルブを含め、なるべく削らない・神経を抜かない治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
*本治療は希望の申し出のある患者様に限り、行っております。
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カリソルブについては日本国内において厚生労働省、未承認の材料で、米国RLS Global社製の純正品を個人輸入しております。国内において同一材料の類似品はございません。副作用(リスク):特に虫歯が大きい場合には、痛み(冷水痛・咬合痛など)が生じることがあります。本治療をご希望の場合には担当医と相談をして下さい。