授乳中の麻酔、お薬
授乳中に麻酔薬や飲み薬を使うことに不安を感じる方も少なくありません。お母さんが服用したお薬は母乳を通じて赤ちゃんにどのような影響を与えているのでしょうか。
赤ちゃんへの影響
母親が服用したお薬が母乳を通じて赤ちゃんに移行するお薬の割合は平均約1%未満とされ、服用してはならないとされるお薬抗がん剤などのごく一部の特殊な薬剤と考えられています。
また歯科治療で使う局所麻酔薬も同様で、使用量が少なく、分解されるのも速いため、授乳には影響ないとされています。
*ユニセフやWHO(世界保健機関)、アメリカ小児学会などでは授乳中止が必要なお薬は全体の約3%と報告しています。
母乳へ影響する項目
全てのお薬が授乳に影響するわけではなく、次のような項目によって影響の程度は大きく異なります。
- 薬の種類(母乳への移行しやすさ、体内での分解されやすさなど)、量
- 母親の健康状態(肝・腎機能など)
- 子ども側が飲む母乳の量・回数、子どもの年齢や体重
お薬
母乳に移行するお薬の割合
母親が飲んだお薬を、母乳を介して赤ちゃんが飲む薬の量は平均1%未満とされ、極めて少ないことが報告されています。
例)抗菌薬(サワシリン®)を母親が服用した時、母乳に移行して赤ちゃんが受けるお薬の量は約0.1%といわれています。
お薬の種類
歯科治療でよく使われるのは主に抗菌薬(抗生物質)や痛み止めです。母乳や赤ちゃんへの影響の少ないお薬が推奨されます。
抗菌薬(抗生物質)
ペニシリン系やセフェム系、マクロライド系という種類の抗菌薬を使用し、テトラサイクリン系やニューキノロン系のお薬の使用は避けた方が良いでしょう。
痛み止め
アセトアミノフェン(カロナール)が望ましいでしょう。
長く効くお薬を避ける
服用回数が少なく済むお薬は体内で分解されるのに時間がかかるため、“長く効く”お薬は避けた方が良いとされています。
不安・心配な場合
お薬の相談
継続してお薬を服用した方が良いのか、あるいはお薬の服用時期や種類の変更可能かなどを含めて、処方された先生と相談するのが良いでしょう。
授乳の工夫
授乳後に服用する、子どもが長時間の睡眠に入る前に服用する(しばらくの間、授乳しなくて済む)ことなどが推奨されています。
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