歯周病を悪化させる体の状態

歯周病(歯槽膿漏)は体の健康や免疫の状態との関わりが深いことが明らかになっています。

特に免疫が低下すると菌の増殖を抑えきれず、歯茎が膿んだり、腫れやすくなります。

糖尿病

糖尿病で血糖が高い状態が続くと、免疫力を低下するため、歯周病が進行しやすくなります。

また歯周病と糖尿病はお互いに影響を及ぼし合う関係にあり、歯周病が悪化すると、血糖を下げる働きのあるインスリンの効きが悪くなるため、血糖が上昇しやすくなります。

歯周病と糖尿病

女性ホルモンの変化

妊娠、生理

歯周病菌には女性ホルモンをエサとした増殖する種類が存在するため、妊娠中や生理による女性ホルモンの影響により、歯茎が腫れやすくなります。

妊娠性歯肉炎

妊娠中の歯茎のできもの

閉経後

閉経後は女性ホルモンの分泌が低下することで、炎症の制御や骨の新陳代謝に異常が起き、歯周病が悪化しやすい環境になります。

また歯周病の悪化は閉経直後ではなく、閉経後5年以降に目立つことも報告されています。

 

肥満

中性脂肪から分泌される炎症を悪化させる成分(TNF-α)が、歯周病の発症や悪化に影響を与えることが多くの研究で報告されています。

歯周病と肥満

自己免疫疾患

本来、菌やウイルスなどを攻撃する免疫が正しく機能せず、自分の正常な組織を攻撃してしまう病気の総称で、「膠原病(こうげんびょう)」とも呼ばれます。

歯科と関係が深い自己免疫疾患には「シェーグレン症候群」や「関節リウマチ」、「全身性エリテマトーデス」などがあります。

加齢

加齢とともに回復力(新陳代謝)や免疫力の低下が生じるため、歯茎の炎症が進行しやすく、治りが遅いことが報告されています。

遺伝

歯周病の原因の一つとして、免疫や炎症に関わる遺伝子との関係が一部の論文で報告されています。

また遺伝子の異常を持つダウン症などでは、歯周病が重症化しやすいことが明らかになっています。

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