睡眠時無呼吸症候群と高血圧症
睡眠時無呼吸症候群と高血圧症は深い関わりがあり、中等度以上(AHI≧15)の場合には健常者と比べて2.89倍高血圧症になりやすいことが有名な調査報告(Wisconsin Sleep Cohort Study)で明らかになっています。
目次
なぜ高血圧症になる?(しくみ)
睡眠時無呼吸症候群が高血圧症を引き起こすしくみについては、次のように考えられています。
自律神経の緊張
睡眠時無呼吸症候群によって寝ているときの呼吸が止まり、体内の酸素濃度が低下し、途中で目が覚めることで自律神経が著しく興奮した状態になり、血圧が上昇した状態が続きやすいといわれています。
食欲の増進
食欲を増進させるホルモン(グレリン)が増加し、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減ることで食事量が増えることが高血圧症への影響の一つとして考えられています。
眠気による運動量低下
睡眠時無呼吸症候群の特徴的な症状である日中の過度な眠気によって、運動量が妨げられることも一因として考えられています。
睡眠時無呼吸症候群と高血圧症の合併
高血圧症の治療が効きにくい
睡眠時無呼吸症候群と高血圧症を合併する場合、自律神経の緊張やホルモンの分泌にも影響を及ぶため、高血圧症の治療の効果が得られにくいといわれています。
対策
睡眠時無呼吸症候群を放置しない
睡眠時無呼吸症候群を治療していない、また重症であるほど、高血圧症を発症する危険性は高くなります。
高血圧症は血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を招くことがあります。命に関わる病気を未然に防ぐためにも、睡眠時無呼吸症候群の治療の大切さが近年強く推奨されています。
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