睡眠 Q&A
目次
- 1 Q. 睡眠にはどのような意味があるのですか?
- 2 Q. 歯ぎしりをしているようなのですが、何か対策はありますか?
- 3 Q. いびきをかいているといわれるのですが、どうすれば良いですか?
- 4 Q. 理想の睡眠時間はどのくらいですか?
- 5 Q. 6時間以下の睡眠でも辛くないのですが、問題ないですか?
- 6 Q. 睡眠時間は90分単位だと良いと聞いたことがあるのですが、本当ですか?
- 7 Q. 睡眠をとるのに優れた時間帯はありますか?
- 8 Q. 十分な睡眠をとっていれば、夜更かしや昼夜逆転の生活でも問題ないのでしょうか?
- 9 Q. 睡眠の質を上げるにはどのような工夫が必要ですか?
- 10 Q. 昼寝はしても良いですか?
Q. 睡眠にはどのような意味があるのですか?
A. 睡眠には脳や体の疲労回復、記憶の整理・定着、免疫力の回復、ストレスの解消、傷ついた細胞の修復、成長など生きる上で必要不可欠な役割を果たしていると考えられています。
睡眠の研究については1950年代のレム睡眠の発見を機に飛躍的に発展し、特に近年では健康に関わる重要な項目として盛んに研究されていますが、現在でも未知な部分もあります。
Q. 歯ぎしりをしているようなのですが、何か対策はありますか?
A. 睡眠中の歯ぎしりは体重以上の力が歯や顎(あご)にかかることがあり、歯がすり減る・欠ける/歯や顎の痛みを招きます。また重症な場合には歯が割れる原因になることもあり、治療が必要な場合も多いです。
Q. いびきをかいているといわれるのですが、どうすれば良いですか?
A. いびきをかいている場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高く、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの大きな病気を招くことが近年の研究で明らかになっています。
睡眠時無呼吸症候群の治療は医科歯科連携となり、内科や循環器内科、耳鼻咽喉科、呼吸器科、呼吸器内科、小児科、歯科、口腔外科などで行なっており、特に歯科は睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療を担っています。
Q. 理想の睡眠時間はどのくらいですか?
A. 理想の睡眠時間は年齢や個人によって差がありますが、6〜8時間程度と推奨されています。
睡眠時間は長くても短くても健康に悪いことがわかっており、この数値は最も死亡率が少ない睡眠時間として知られています。
Q. 6時間以下の睡眠でも辛くないのですが、問題ないですか?
A. 医学的に推奨される睡眠時間と比べると、6時間未満の睡眠は明らかに不足していると考えられています。
睡眠不足は慢性的に続くと、体が眠気を感じにくくなり短時間の睡眠に慣れていくため、睡眠不足を自覚しにくくなります。
しかし、脳や体への負担は蓄積され続けるため、歯周病や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧症などの様々な病気を招きやすくなるといわれています。
ショートスリーパー?
短時間の睡眠でも問題なく過ごせる人を「ショートスリーパー」と呼ぶことがあり、ナポレオンは1日4時間程度の睡眠でも平気であったといわれています。
ただし、実際の「ショートスリーパー」は人口のわずか数%程度で、自分を「ショートスリーパー」と認識している方のほとんどは睡眠不足やそれに伴う体の負担の自覚がない状態とされ、1万人の日本人を対象とした調査(注1)では23.4%が自称「ショートスリーパー」と報告されています。
【参考資料】(注1)ブレインスリープ 睡眠偏差値調査結果 2022
Q. 睡眠時間は90分単位だと良いと聞いたことがあるのですが、本当ですか?
A. 現在は90分単位にこだわる必要はないといわれています。
「90分単位」説?
眠りの周期が「90分単位」という話は2種類の睡眠(ノンレム睡眠とレム睡眠)の周期の合計が約90分ということから広まった俗説です。
しかし、睡眠の周期は必ずしも90分というわけではなく、個人差が大きく、同じ人でも疲労度や睡眠の環境(光や音、温度)などによっても変化するため、現在では「良い睡眠」として90分単位の睡眠(90分の倍数、3時間や4時間半)ではなく、睡眠の量や質、タイミング(規則正しさ)が大切といわれています。
Q. 睡眠をとるのに優れた時間帯はありますか?
A. 「夜10時〜深夜2時ごろ」が睡眠に優れた時間帯(「ゴールデンタイム」)とする俗説がありますが、全てのホルモンが決まった時間帯に分泌されるわけではないため、「ゴールデンタイム」は存在しないという考えが現在の主流です。
成長ホルモンと時間帯
睡眠中に分泌される成長ホルモンは子どもの体の成長や傷の修復に関与しますが、決まった時間帯(「ゴールデンタイム」)に分泌されるわけではありません。
成長ホルモンが最も盛んに分泌される時間帯は寝る時刻に関わらず、最初の深い眠り(ノンレム睡眠N3)のときで、睡眠開始後3時間前後と報告されています。
Q. 十分な睡眠をとっていれば、夜更かしや昼夜逆転の生活でも問題ないのでしょうか?
A. 睡眠の量が足りていても、ホルモンの影響で眠りが浅くなるため、やむを得ない場合を除いて、夜更かしや昼夜逆転生活は避けた方が良いでしょう。
ストレスホルモンと時間帯
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは朝方に分泌が盛んになり、心身を緊張させる働きがあるため、体温が上がり、目が覚めやすくなったり、深い睡眠が取りにくくなります。
Q. 睡眠の質を上げるにはどのような工夫が必要ですか?
A. 睡眠の質を上げるコツはまず寝室の環境(光、音、温度)を整えることが大切です。その他、就寝前のカフェインやお酒、タバコを控えるのも良いでしょう。
Q. 昼寝はしても良いですか?
A. 15時前くらいの午後の早い時間帯に、20分程度の昼寝(短時間の仮眠)をとることは日中の眠気の解消、夜間の寝つきにも良いといわれています。
一方で、20〜30分を超える仮眠は深い眠りに落ち、スッキリとした目覚めにならないため、20分程度にとどめることが大切です。